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ため池造成の苦労後世に 福光・野地集落 

北日本新聞 9/3(土) 0:52配信

■100年前の史料編さん 金策で禁酒禁煙も

 南砺市福光地域の中山間地にある野地(のじ)集落が、約100年前のため池整備の様子を伝える史料を冊子にまとめた。住民は、集落の生活を支えてきた役割の大きさにあらためて思いをはせ、先人の苦労を後世に伝えたいと願っている。

 野地にはもともと水源がなく、クワ畑が多かった。このハンディを克服しようと、1919(大正8)年に太美野耕地整理組合を設立し、事業に着手。26(同15)年までに完成した。

 冊子には、設計書のほか、農商務大臣や知事宛ての開墾助成金交付願などの公文書、20年以降の同組合議事録を盛り込んだ。公文書の農商務大臣には、蔵相として名高い高橋是清らの名が連なる。

 これらの史料は、ため池造成を計画した人物の子孫にあたる七山外二さん宅などで2013年に見つかった。野地溜池(ためいけ)完成百年委員会(七山清会長)をつくり、編集長の水口暉夫さんらを中心に、冊子をまとめた。

 冊子はA4判、372ページ。当時の住民が酒やたばこを我慢して、ため池造成時の借金返済に協力したエピソードにちなみ、表題を「木札『禁酒禁煙の家』の誓い 百年前の記録を、百年未来へ」とした。50部を作製し、市役所や土地改良区、図書館に配った。

 七山会長と水口さん、地元の七山徹区長は「ため池は農業だけでなく、生活にも幅広く使われてきた。その役割の大きさをあらためて評価し、先人の苦労を後世に伝えたい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:9/3(土) 0:52

北日本新聞