ここから本文です

「パスポート制度」死守で銀行が英首相に圧力-暫定合意迫ると関係者

Bloomberg 9月2日(金)11時50分配信

英国の欧州連合(EU)離脱交渉の正式開始に先立ち、金融機関の「パスポート制度」などをめぐりEUと暫定合意を締結することを求めて、メイ英首相に世界の大手銀行が圧力をかけている。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、EUとの暫定合意には、正式な離脱交渉期間の2年が終了した後も、シティー(ロンドンの金融街)に拠点を置く銀行がEU各国に自由に金融商品やサービスを提供できるパスポート制度の維持を図る狙いがある。だが、ドイツのメルケル首相を含むEUの指導者らは、非公式協議は行わないと繰り返し述べており、こうした策略が非現実的であることが示される可能性がある。

EUのトゥスク大統領は1日のツイッターへの投稿で、「通知なければ、交渉なしというわれわれの原則は、離脱する国ではなく、離れずにとどまっている国々を守るために存在する。われわれがそれを放棄することはない」と述べた。

特別な地位が認められない場合、ロンドンに拠点を置く主要なグローバル投資銀行は、メイ首相がリスボン条約50条に基づく離脱交渉開始の引き金を引けば、その後数週間以内に英国から他の国への行員と業務の移転をスタートさせる可能性がある。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)で英金融サービス業界向けにEU離脱対応助言業務の責任者を務めるアンドルー・グレー氏は「時間枠が短ければ短いほど、望ましくない決定を行わざるを得ない可能性が高まる。パスポート制度の権利が延長されなければ、リスボン条約50条の発動のいかんにかかわらず、銀行免許や監督当局の認可の申請、オフィススペースの確保に一部の金融機関は動き始めるのではないか」と指摘している。

原題:Global Banks Said to Seek Special Brexit Deal to Keep Status Quo(抜粋)

Richard Partington, Gavin Finch

最終更新:9月2日(金)11時50分

Bloomberg