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月額だから得、ドコモがヘルスケアアプリを有料提供する理由

アスキー 9月4日(日)10時0分配信

Runtastic for docomoはなぜ月額なのか、NTTドコモの担当者に聞いた。

 NTTドコモが提供している「Runtastic for docomo」は運動でも始めよう、でもジムには行きたくない、手軽に始めたい、という人にオススメできるサービスだ。
 
 9種類のアプリと30のトレーニングプランが使い放題。アプリはランニング向け、ロードバイク向け、筋トレにエクササイズ、歩数と睡眠記録など、ちょっと健康を意識するところから本格的に運動したい人まで幅広くカバーする。
 
 しかし、始めるにあたりハードルがある。無料じゃないことだ。フィットネス系のアプリとなると少し探せば無料なものがすぐに出てくる。そうした状況の中で月額350円というのは、運動でも始めようとしている人の動きを止めてしまう。
 
 たとえいろいろなプランが詰まっているとしても、使うものは限られてくる。だとするといっそう自分に合った無料サービスを使えばよい。
 
 もちろん有料であるからにはユーザーにもなにかメリットはあるはず。Runtastic for docomoのよさはどこにあるのか。NTTドコモのライフサポートビジネス推進部 ヘルスケア事業推進 ウェルネスビジネス担当課長の横山 豪氏とウェルネスビジネス担当主査の杉本 晋氏に話を聞いた。
 
普通ならアドオンなのも最初から使えて月額350円
―― 無料アプリやサービスが多い中、なぜRuntastic for docomoは有料提供なのでしょう?
 
横山 月額ですが、ドコモとして提供することでかなりリーズナブルにできていると思っています。Runtastic自体はGoogle PlayやApp Storeでは無料でダウンロードできますが、アプリの中に有料サービスがあり、直接契約すると結構いい値段になります。我々はそこをパックという形で、本来有料で高いものをリーズナブルに提供させていただいているというのが現状の考え方ですね。
 
―― 機能的にはPro版を提供されているということですか? それとも一部機能は異なっていたりするんでしょうか?
 
杉本 Pro版およびRuntasticさんの月額サービスがあるんですけれども、両方を提供しています。
 
―― 有料サービスを提供しているということは、ターゲットはアスリート向けですか?
 
杉本 アスリートも対象にはなります。ただ、Runtasticユーザーはエントリーの方からミドルの方が非常に多いです。我々のターゲットもエントリーからミドルの方ですね。
 
横山 ドコモ全体のお客様でいうとかなり運動志向の高い方になると思います。ただ、運動を意識していないという方もいるので、そういうところは後述するdヘルスケアパックで割と広いところ、ライトな人から運動する人までカバーするようなものを設計しており、「最初は歩くところから入ってみましょう」としています。
 
―― エントリーユーザ-にサービスを使ってもらって、だんだんステップアップしていき、本格的にやるならジムに行ってもらう。それでも良いという考え方でしょうか。
 
横山 そうですね。またはジムと併用でもいいと思っています。お勤めされている方は毎日ジムに通うわけではないでしょうから。私自身「Runtastic Results」というトレーニングアプリを週に3回ほど使っていますが、ストレッチから始めて腹筋、最後のクールダウンで大体30分くらいで終わります。ジムに行って30分というのはなかなか難しかったりもするでしょう。週末はジムに行っていただいて、平日はRuntastic Resultsを使っていただいて、というのでもいいのかなと思っています。
 
―― ドコモユーザーの中でRuntastic for docomoに加入している割合はどれくらいなのでしょうか。
 
横山 立ち上げて1年ちょっとなので、期間の中では順調にご加入いただいているという認識はあります。ただ4月にdヘルスケアパックを提供したということもあり、いまはそちらの加入数を見ており、Runtastic for docomoの契約が伸びているかどうかはあまり意識していないのが現状です。
 
Runtasticはサービスを毎年拡充している
―― そもそもなぜRuntasticを選んだのでしょう。
 
横山 いくつか理由があります。ひとつはすでに世の中で評価されていること。アプリのダウンロードランキングでも上位にくるようなサービスと組めば土台ができあがっているので、ユーザーにとっても絶対にいいサービスだろうと。もうひとつは自社開発でやるよりも当然早くできることです。
 
―― いろいろなエクササイズを網羅しているのはRuntasticの特徴ですよね。
 
杉本  Runtasticさんは自社の開発にすごく力を入れていまして、毎年アプリを拡充していたりと、エコシステムを作るということにエネルギーを使っていると思いますね。
 
横山 走るアプリはすごくたくさんありますが、それだけだと我々としてはもっと開拓していかないといけなくなります。我々にとってRuntasticさんと組んで結果的によかったのは、彼らは自分たちで領域を広げてくれているので、結果的に我々の領域も広がっていくことだと思っています。
 
―― 今後提携するアプリを増やす予定はありますか?
 
横山 もちろん「なくはない」と思っています。お客様のニーズによっては「こっちのアプリを使っているんだからdヘルスケアパックに入れて」という要望は十分ありえると思っています。ただ、いまはdヘルスケアパックの中に入っているサービスが「みなさんにより健康になってもらう」というミッションにおいて、まだパーツが足りてないと感じています。健康になるというのは歩く、走る、鍛えるだけじゃない。そこをやっていきたいなと思っています。
 
―― Runtasticはアプリ自体はとても細かく分かれていますが、対応する機器がそれほど多くないですよね。トレーニングする場合だとRuntasticで十分だとは思うのですが、シリアスにトレーニングしたい人は一緒に使う機器や体重管理が重要で、対応機器を海外から直輸入しないといけない場合があります。ほかに汎用性の高いサービスもあったと思いますが、そこを選ばれなかった意図はあるのでしょうか。
 
横山 実はこのプロジェクトはNTTと東レさんの技術で心拍や心電波形が測定できる「hitoe」というものがありまして。
 
―― 昔レビューしたことがあります。着たのですがきついなあと思いまして……。
 
横山 そのhitoeに対応したサービスを作りたいというのが大きな理由としてありました。合わせてやるんだったら世の中に受け入れられているサービスでやるべきだろうと。いくつかのアプリベンダーさんとコミュニケーションを取っていく中で、Runtasticさんとの話が一番スムーズに進んだという面はあります。
 
杉本 dヘルスケアパックでいうと将来の指向としては、デバイスについても幅広く連携させていきたいです。Runtasticのプラットフォームだけではなく、ドコモが別でご用意するようなプラットフォーム上でいろいろなデバイスと連携させていきたいという考えはあります。
 
横山 いまは「Runtastic Orbit 01」を販売し、「ムーヴバンド」も提供しています。ただそれだけじゃお客様のニーズは満たせないだろうと。ほかの製品を使っているユーザーの方は多くいるので、そこに対応できるのであればやっていくべきだと思っています。
 
ムーヴバンドはまだ十分ではない
―― 対応製品を増やしていく構想はあるということですね。そうするとムーヴバンドはひとつのジレンマになったりしないですか?
 
横山 いま始めるとなる可能性はありますよね。そこは意識しています。我々としてはムーヴバンドをやっていく意味はありますが、当然これだけだと押しつけになってしまいます。お店の棚を見るといろいろな製品がある中で、「うちはムーヴバンドだけですよ」というのは通らない世界だと思っています。我々としてオススメするのはムーヴバンドですが、マーケットに多くの製品があるのは認識していますので当然寄り添っていくべきですね。
 
―― ムーヴバンドを推していくということはオススメのポイントがあると思いますが、ほかの製品と比べていかがでしょう。
 
横山 ドコモヘルスケアが提供しているサービスに対応しているのは基本的にはムーヴバンドだけなので、アプリがいいと思ったらムーヴバンドを使っていただきたいなと思っています。ではオープン化をしていったときにどうなるか。それは機器側を磨いていかないといけないでしょう。よりシビアな競争にさらされるのは間違いないですよね。
 
―― 現状のムーヴバンドは完成品ではなく、進化させるために開発の途中であるということでしょうか。
 
横山 オープン化をしていく中では、いまのままで十分なのかは考えないといけないと思っています。
 
―― たとえば上位モデルを出すとか?
 
横山 現状は始めたばかりなので決め切れてはいないですが。
 
インフラから始まった会社だから社会課題の健康に取り組む
 すでに話で出ているが、NTTドコモは4月にdヘルスケアパックというサービスをスタートしている。月額500円でフィットネス系アプリをまとめて契約できるもの。4サービス12アプリが使い放題で、ムーヴバンド3や「ねむり時間計」などが特別価格で購入できる。
 
 dヘルスケアパックのなかには歩数をカウントし世界各国の観光地を疑似的に巡ることでdポイントをゲットできる「歩いておトク」なども含まれている。
 
―― dヘルスケアパック全体でユーザーから要望や多くもらう意見はあるんでしょうか?
 
杉本 全体でいうとRuntastic Orbit 01とムーブバンド3がサービスに紐付いているので、それぞれの情報をクロスさせてほしいという要望はあります。Runtastic Orbit 01を付けているから「歩いておトク」でもポイントが貯まるようにしてほしいなどですね。
 
横山 ご要望はこれから出てくるかと思っています。我々も健康系で食事関連はちょっと弱いなどと考えていたりしますが、いまユーザーの声として挙がってきているわけではないんですね。いったんは歩いておトクでとても満足していただいている部分があると思います。
 
―― ヘルスケアやフィットネスになぜ注力しているんですか?
 
横山 ドコモがスマートライフと呼んでいる新たな領域の事業をやってきたという思いがある中で、ヘルスケアは間違いなくひとつあるだろうと考えて取り組みをしているのが大前提です。なぜヘルスケアが新たな領域の事業のひとつなのかというと、健康への意識を高めていかないと、という声が大きくなってきています。また日本の社会的課題で言っても、医療費が財政を圧迫しているという話もあります。その中で気持ちを健康へと向けてもらえると社会課題の解決につながっていくんじゃないかなという思いもあります。ドコモはインフラ事業から始まっているので、社会を支えるという企業ミッションからいうと親和性があるんじゃないかと考えて取り組んでいますね。
 
―― 高齢者社会になってきて、健康が気になる高齢ユーザーにサブスクリプションで確実にリーチする目論みもあったんでしょうか?
 
横山 それもなくはないです。ただ高齢者の方が、というよりももっと手前ですね。いまのうちに体を動かしておけば健康で病院のお世話にならないで済むじゃないですか。なかなか運動する時間も取れないといってズルズル来てしまうケースもあります。そこをもう少しよくすることで世の中が変わってくるといいなと思っています。
 
―― 啓蒙ありきな部分が大きいのでしょうか?
 
横山 そうですね。もちろん企業ですので、啓蒙だけやるわけにはいかないですが(笑)。とはいえ社会的な意義は意識しながらやっていきたいというのはあります。
 
―― 最後に、7月末から急に歩く人が増えたと思いますが、正直ポケモンGOについてはどう思っていますか?
 
横山 まずは歩きスマホはよろしくないと(笑)。
 
―― そうですよね(笑)
 
横山 周囲の安全に気を付けて楽しんでいただければと思っています。実際にユーザーさんのSNSなどを見ると歩いてオトクとポケモンGOをダブルでやるとオトクだよねという声はあるので、ぜひポケモンGOをやるなら歩いてオトクを使っていただきたいです(笑)。
 
 
文● 西牧/ASCII、聞き手●南田ゴウ、西牧

最終更新:9月6日(火)16時44分

アスキー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]