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<1面コラム>生物がそなえる色

伊豆新聞 9月4日(日)14時30分配信

 「伊豆に住んでいたら、いつでもすぐ釣りに行けるのに」―。横浜に住む釣り好きの友人に、うらやましがられた。海でも川でも楽しめるからと

 ▼弊紙8月31日付「伊豆釣行」菊間将人さんの釣りコラムを読み、友人の言葉を思い出した。海釣りの釣果に恵まれていた菊間さんがアユ釣りモードに切り替え、狩野川や河津川に出掛けた様子をつづっている

 ▼河津川下流の豊泉橋付近で苦戦した末の釣果は小型18匹だったが、ほとんどが「追い星が鮮明でヒレが大きい遡上[そじょう]の美アユで、心が癒やされた」という。追い星はアユのえらの後ろにある金色に輝く紋のこと。背面のオリーブ色、腹面の銀白色に映える

 ▼筆者は釣りをほとんどしないが10年ほど前、誘われて河津川でアユ釣りに挑戦した。餌釣りだったが、自ら釣ったアユの塩焼きのうまさは格別だった。ある時、目の前をカワセミが矢のような速さで横切った。瞬間的な情景が記憶に残っている。追い星の言葉から、自然界の生命がそなえる鮮やかな瑠璃色の羽を連想した

 ▼数年前、下田の友人から稲生沢川にすむカワセミを撮った写真を見せてもらったことがある。意外と町中に近い場所にいるものだ。伊豆各地で、今も見られるだろうか。

最終更新:9月4日(日)14時30分

伊豆新聞