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スマートコントラクトに本腰 マイクロソフトが共同研究組織、Visaはブロックチェーン実証実験

ZUU online 9月4日(日)11時10分配信

マイクロソフトとVisaという2大企業による大規模なプロジェクトによって、欧米FinTechに新境地が開かれようとしている。

マイクロソフトがスマート・コントラクトの安全性を改善する意図で、新たな研究グループを結成したほか、Visaの欧州研究部門がカナダのベンチャー企業、BTLグループと提携し、ブロックチェーンを活用した銀行間決済システムの実証実験を行う。

■イーサリアム、R3CEVが参加予定の共同研究組織「Kinakuta」

近頃頻繁に耳にするようになったスマート・コントラクトとは、条件が満たされた場合にのみ取引が完了する「自動契約システム」のようなものだ。

最も身近な例では、駅で切符を購入する際、駅員に直接お金を渡して切符を受けとるのであれば「マニュアル(手動)」、切符販売機から購入するのであれば「スマート(自動)」と分類されることになる。

しかしいかにスマート(賢い)といえ、完璧なシステムでないことは、今年6月に5500万ドル(約56億9250万円)相当のETH(イーサ)が流出してしまったDAO事件でも、繰り返し語られていた。

この事件はDAOのコードの脆弱性を巧妙に利用した大型ハッキングだったが、「スマートコントラクトには脆弱性がつきもの」という認識を、世間に広める結果となった。

マイクロソフトはこうした脆弱性を改善し、スマートコントラクトの安全性を向上させるために、「Kinakuta」という名称の共同研究組織を結成。

ブロックチェーン技術をリードするイーサリアム・ファンデーション、ブロックチェーン組織「R3CEV」、ブロックチェーン・スタートアップのBlockAppsなど、35の企業や開発者をメンバーに加えることを予定しており、様々な角度から安全性を高める手段が検討される。

マイクロソフトは8月に発表したスマートコントラクトに関するレポートの中で、スマートコントラクト専用のプラグラミング言語の採用などを提案している。

■「IOT M2M決済」の開発に熱心なVisaは

欧州では昨年設立されたVisaの国際改革ハブ「Visaヨーロッパ・コラボ」が、カナダ初の上場ブロックチェーン企業であるBLTと共同で、ブロックチェーン国内外決済システムの可能性を検証する。実験期間は約3カ月で、最終目的は銀行間決済の効率化と、知識・経験の蓄積だ。

実証実験にはイーサリアムベースの銀行間決済プラットフォーム「インタービット(Interbit)」が利用される予定だ。スマートコントラクト専用言語で構成されたインタービットを用いることで、銀行間の取引で生じる摩擦やリスクを軽減すると同時に、決済速度の短縮化やコンプライアンス要件処理の自動化が期待できる。

BLTの発表によると、現在数社の欧州銀行がプロジェクトに参加する意思を示しており、まずは複数通貨を利用した送金および為替取引で実験が開始されるという。継続してさらなる参加メンバーを募集しており、今後共同実験の規模を拡大していく意向だ。

VisaがモノのインターネットとM2M(機械同士の通信)を融合させた「IOT M2M決済」の開発に、ただならぬ関心を注いでいることは、以前から数々のメディアに報じられている。
今年5月にも、Satoshiコインを利用したマイクロ決済の実証実験を行ったほか、昨年にはシリコンバレーのクリプト・ファイナンス・スタートアップ、Epiphyteとも、ビットコイン送金システムの開発を手掛けるなど、着実に決済産業の歴史を塗り替えようとしている。(FinTech online編集部)

最終更新:9月4日(日)11時10分

ZUU online