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UAE戦の日本は何も考えないで攻撃していたのではないか

日刊ゲンダイDIGITAL 9月4日(日)9時26分配信

釜本邦茂コラム【ズバッと言わせてもらう!】

 W杯アジア最終予選のUAE戦は「まさかの敗戦」というのが、世間一般の感じ方だろうね。

 しかし、これが「今の日本の実力」だよ。選手たちが「やることをやった。しかし、運がなかった」と思っているとすれば、それは大間違いだ。

 確かに浅野が蹴り込んだボールは、ゴールとして認められなかった。

 失点は「微妙な判定の末のFKとPK」によるものであって、決して守備網を崩されて失点したわけではない。それでは日本はどうして負けたのか? 答えは明白だ。

 たった1点しか取れなかったからである。

 早い時間帯でFW本田が先制点を決めた。日本はUAEを攻めたて、2点目、3点目は時間の問題のように思われた。しかし、追加点は生まれなかった。後半に入ると本田を筆頭に1トップのFW岡崎、トップ下のMF香川、左サイドのMF清武のアタッカー陣たちは、ひたすら同じような攻めを繰り返した。

 右に左に丁寧にサイドチェンジを行い、UAE選手を動かしてギャップをつくろうとした。サイドにボールを運んだら、UAEのゴール前にフワリとクロスを放り込む。たまにサイドから相手DFを抜き去り、ゴール前に低い弾道のクロスを入れるシーンもあったが、ゴールにつながるような効果的なプレーはなかった。

 時にドリブル突破を仕掛けたり、短いパス交換でペナルティーエリアの近辺まで近づいたら、そこで初めてシュートを放つ。そしてクリアボールを拾い、丁寧にサイドチェンジを行い……。ひたすら同じことを繰り返しているだけ。そこには創意工夫というものが、まるで見られなかった。

 UAEのDF陣は、特に試合終盤、日本の猛攻にさらされていたように見えるが、日本の単調な攻撃に対して「最後のシュートシーンだけ体を張ってしっかりブロックすればいい」としっかり学習し、その通りに実践して失点を1に抑えた。

 たとえばサイドに展開すると見せかけてミドルシュートを放つとか、ドリブル突破を図るのならペナルティーエリア内に進入し、あわよくばPKゲットのチャンスを探るとか、どうしていろいろな攻撃パターンを頭に浮かべないのか?

 試合をテレビ観戦しながら「もしかして彼らは何も考えないでプレーしているのではないか!?」とまで思ってしまった。

 最後にゴールを決めた本田について――。

 日刊ゲンダイ紙上で何度も指摘してきたが、彼のダメなところは「パスを出した後に動かない」ことである。特に疲労が蓄積した後半途中から顕著になる。動けない本田はピッチ上に必要ない。

 なぜ本田をベンチに連れ戻さないのか? 不思議でしょうがない。

(日本サッカー協会顧問)

最終更新:9月4日(日)9時26分

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