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【陸上】桐生、長嶋さん流「擬音」語るレース中の力の入れどころ「スーッと行ってバン!」

スポーツ報知 9月4日(日)5時4分配信

◆陸上日本学生対校選手権第2日(3日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

 男子100メートル決勝が行われ、リオ五輪400メートルリレー銀メダルの桐生祥秀(20)=東洋大=が10秒08(追い風1・1メートル)で2連覇を飾った。好記録の秘訣(ひけつ)を「スーッと行って、バン!」と長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(80)のような表現で説明。今季最終戦となる国別対抗戦のデカネーション(13日、仏マルセイユ)では“野性の勘”を磨いて日本初9秒台へ挑む。

 うまく言えない。でも、桐生には手応えがある。レース中の力の入れどころを「言葉ではよく分からないけど、(スタートは)スーッと行って、(中盤で)バン!です」。2位に0秒2差をつけ、大会新の10秒08で2連覇。高校3年生で10秒01を出した天才肌は、かつて長嶋さんが「バーッといってガーンと打つ」と打撃の極意を表現したように、日本初の9秒台を出す手応えを明かした。10秒0台は今季3度目。野性の勘で勝負強さを発揮したミスターのように、本能をとぎすました走りが記録更新の切り札になる。

 予選敗退したリオ五輪では、苦手なスタートに気を使うあまり、天性の感覚を生かした中盤の加速が鈍った。その反省から、得意な中盤以降に集中するのが「スーッ、バン!」の真意だ。土江寛裕コーチ(42)も「五輪へいろいろ修正する中で、細かいことを気にしてきた。もっとざっくり考えれば良い。原点に返り、1本1本楽しんで走っているように見える」と変身に目を細める。

 長距離移動の疲れもあったリオ後初戦で「オリンピアンのプライドもある」と地力を示した。男子100メートルで10秒00の日本記録を持つ伊東浩司・日本陸連強化副委員長(46)は「力感が少ないのにスピードが出ている。あとは、どんな心理状態でも良さが出せるようになればいい」と期待した。今季最終戦のデカネーションで、最大目標の9秒台へ全力を注ぐ。リオで一皮むけた20歳は「もう一段階伸びそう。修正点を直せば自己ベストは絶対出る」と信じている。(細野 友司)

最終更新:9月13日(火)5時39分

スポーツ報知