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読書感想文を書く二つの方法

ニュースソクラ 9月4日(日)13時20分配信

【いま大人が子供にできること(18)】一年生のための読書感想文の書き方・その2

 毎年夏休みになると、公共図書館には感想文を書く本を探す、浮かない顔をした子どもたちであふれます。

 みな、どうしていいかわからないので途方にくれ、焦っているのです。一枚のかきかたを説明するのは五分、三枚の感想文のかきかたでも30分で充分です。

 ときどき図書館で苦しんでる子どもに遭遇すると説明するのですが、はじめ、知らない変なオバハン(私の髪は色とりどりに染まっているので)が訳のわからないことをいい始めたと警戒する子どもたちも、最後は晴れ晴れとした顔になってお礼をいってくれます。

 感想文を書けないことは本当に重荷なんだなぁ、とつくづく思います。
 どうぞ、近くに子どもたちがいたら、説明してやってください。荷物が一つ、肩の上からなくなるのですからーー。

 一行のかきかたがわかったら、次は一枚のかきかたです。
 途中わからなくなったら、一行ずつ書いていけばいいのですから「だれが」「どうした」に戻ってください。

 ではそのかきかたですが……

「物語」で書く方法ーー

 まずは、なぜその本を選んだのか読んだのか、つまり「動機」を書きます。
 どっかでひっかかったからたくさんあるなかからその本を選んだのです。
理由はあるはずです。

 書けなくて困っていたら「何でこれを選んだの?」と聞いてあげてください。
 きちんとした文章でいえない子も、話し言葉でなら話せるはずです。
 「あのね、この表紙の絵がね……」というようにーー。

 そうしたら、「それで?それで?」というように、話を引っ張り出していきます。
 人間、なにかをしてなにも感じないということはあまりないでしょう。
 でもぼんやり感じてはいても意識できない……それを、はっきりさせて一度口に出すと、書けるようになるのです。

 次に主人公は誰で、何をしたのか、を書きます。(たとえば、これは、カメの大吉が、遠足にいったはなしです……というようにーー。一行か二行で充分です。)

 次に自分の心に残ったところを二つくらい書きます。
 最後にその本を読んでどう思ったか、の結論を書きます。
 これで一枚くらいあっというまに埋まります。

 ここらへんも、書きあぐんでいたら、一つ一つ、話しかけて引っ張り出してやってください。

図鑑で書く方法ーー

 物語が嫌い、という子は、たいてい図鑑の好きな人です。「ギネスブック」みたいな本でもかまいません。
 自分がいいと思っている図鑑を一冊選びます。

 そうしたら、やっぱり「動機」、なぜその本を選んだか、を書きます。

 次にその図鑑のなかの、自分が凄いと思っているところを三つほど書きます。
 好きなジャンルのものならもともと知識がありますし、興奮して書けるでしょう。本人が本気で書いてる文章というものは迫力があるものです。

 最後に結論(この図鑑を読んでよかったです!)を書きます。

 文章を書くのが苦手だ、と思ってしまっている子どもは400字づめ一枚を果てしなく広い草原みたいに感じていることが多いのですが、日本語は分量をくう言語なので(英語なら、同じ事をほぼ半分の字数で書けるものですから)書き慣れるとあっというまに一枚くらい終わってしまいます。

 「書ける!」と思うと楽しくなり、たくさん書くようになり、たくさん書くとうまくなります。
 うまくなるともっと上手に書きたい、と思うようになりますが、それは中級者用テクニックになりますね。
 そういうとこはスポーツと同じです。

 どうぞお子さんが苦しんでいたら、今年の夏は、書くのにつき合ってやってください。

■赤木 かん子(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。著書多数。

最終更新:9月4日(日)13時20分

ニュースソクラ