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初建造の自走式クレーン船完成 岡山・サノヤス造船水島、技術力PR

山陽新聞デジタル 9月4日(日)10時44分配信

 サノヤス造船水島製造所(岡山県倉敷市児島塩生)が初めて建造していた自走式のクレーン船が完成し、31日、同製造所で命名・引き渡し式を開いた。洋上での土木建設工事や調査業務に用いられ、一定の風や潮流があっても自動で同じ位置にとどまる新鋭船。同社は建造実績を技術力のPRに活用し、他の船種も含めた受注増につなげていく。

 完成したのは、海洋土木大手の東洋建設(東京)が発注した船で、全長89・9メートル、幅27メートル。つり上げ能力500トンのクレーンを備え、最大で重さ3500トンの荷物を積載可能。GPS(衛星利用測位システム)と5基のスラスター(プロペラ)を駆使し、潮流2ノット、風速15メートルの状況下でも同じ位置を保てる。

 2基のディーゼルエンジンを搭載し、約12ノットで航行する。東洋建設は日本近海での魚礁や洋上風力発電設備の設置、岸壁補強工事、海底資源の調査などに活用する。建造費は約45億円。船名は「AUGUST(オーガスト) EXPLORER(エクスプローラー)」。

 サノヤス造船がこれまで主力としてきた、鉱物や穀物を運ぶ「ばら積み貨物船」は、国際的な供給過剰で受注が低迷している。この日の式に出席した上田孝社長は「クレーン船を手掛けたことで、設計や建造現場の技術力向上にもつながった。今後も船種の拡大を図り、造船市況の変化に対応していきたい」と話していた。

最終更新:9月4日(日)10時44分

山陽新聞デジタル