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ソメイヨシノ、夏にサルスベリと競演 川口の公園で開花、住民も驚き

埼玉新聞 9/4(日) 10:32配信

 埼玉県川口市八幡木の平柳公園で、3本のソメイヨシノがかれんな薄いピンクの花を咲かせて、近所の人たちを驚かせている。隣にはサルスベリの花が風に揺れる。本来ならば春に咲く桜と、真夏の花の競演を楽しんでいる。

 同地区に住む保険代理業の沢木信男さん(67)によると、8月29日の早朝、愛犬と日課の散歩に出掛けたところ、犬の散歩仲間の女性から「公園で桜が咲いてる」と教えてくれた。行ってみると、ソメイヨシノの3本の木に花が咲いていた。

 この3本の木は葉が落ちており、花の周りに葉桜のように若葉が出ていた。また、春に咲くコブシの白い花も咲いていたというが、2日ほどで全部散ってしまった。この時期に咲く不思議な現象を、沢木さんは「最近、公園の土を入れ替えたのが関係しているのだろうか」と首をかしげる。

 ただ、同市内にある県花と緑の振興センターの副所長、石坂宏さん(59)は「(夏に桜が咲くことは)珍しいことではない」と言う。

 「今頃、葉の付け根をよく見ると来年春に咲く花の芽ができる。葉からある種の化学物質が出て、花芽が咲かないように抑えていると考えられている。しかし、何らかの原因で葉が落ちてしまうと、開花を抑制する物質も出なくなって、咲いてしまう」と説明する。葉が落ちる原因は毛虫や台風が考えられるという。

 同センター病害虫専門の大熊洋一さん(61)は「今回咲いた花芽のぶんが減るので、来春に咲く花は例年より少ないでしょう」とも話す。

 ただ、今咲いている桜をめでる者にとって、そんなことは二の次。「夏の青空に桜の花が似合っていますね」。そうつぶやく沢木さんの携帯電話の画面には、桜の花の向こうにサルスベリの花が写っている。自慢の1枚だ。

最終更新:9/4(日) 10:32

埼玉新聞