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地震被害を想定、拠点病院の機能確保へ 延焼防止や道路の確保を検証

埼玉新聞 9月4日(日)10時32分配信

 首都直下地震が発生した際の火災による被害を想定し、埼玉県は県内で17病院が指定されている災害拠点病院のうち、市街化区域にある県南東部の病院について周辺の住宅密集状況を調査する。市街地の火災で病院機能を失わないようにするため、延焼の防止やアクセス道路の確保策などを検証し、周辺住宅に感震ブレーカーや防火水槽などの設置も検討していく。県は「密集市街地の火災を防ぎ、災害拠点病院の機能確保を図りたい」としている。

 県の地震被害想定調査によると、30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下地震(東京湾北部地震)では、県内の死者数は585人、負傷者が7215人、火災焼失棟数は1572棟と想定されている。密集市街地は地震発生時に家屋の倒壊や大規模な延焼を起こす可能性が高く、1995年の阪神大震災では密集市街地で家屋の倒壊や火災により多くの死者が出た。

 災害時の医療救護活動の拠点となる災害拠点病院は県内で17病院が指定されており、県市街地整備課の調査では県南東部の4病院が市街地に位置している。同課は10月にも4病院のうち、密集状況に応じて1、2病院を選定。火災の延焼シミュレーションを行い、「災害時に災害拠点病院まで延焼が及ぶのか、どのくらいの住宅が延焼するかを調べる」という。

 強い地震を感知すると自動的に電気を止める感震ブレーカーを病院周辺の住宅に設置することも検討していく。政府の「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会」が2015年3月にまとめた報告書によると、電気火災は、阪神大震災で原因を特定できた火災139件のうち85件(61%)、東日本大震災で地震型火災と認定した163件のうち108件(66%)あった。感震ブレーカーは電気火災の抑制に効果があるとされ、国も普及を進めている。

 同課は「災害拠点病院周辺の住宅の電気火災のリスクを下げ、防火水槽や貯水槽などの整備のほか、災害時の消火活動について消防署とも相談したい」としている。

 さらに、災害拠点病院の周辺だけでなく、県内の住宅密集地についても延焼防止策を推進するため、県や市町村、都市再生機構(UR)、大学などで構成される「住宅密集地改善連絡会議」を設置。6月30日に初会合を開催し、40市町が参加した。同課は近くモデル地区を選定し、延焼防止策の具体的な検討を進めるという。

最終更新:9月4日(日)10時32分

埼玉新聞