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<防災訓練>避難所運営「住民主体」に戸惑いも

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月5日(月)7時18分配信

 4月に発生した熊本地震の教訓を踏まえ、掛川市内全域を主会場に南海トラフ巨大地震への備えを確認した4日の静岡県総合防災訓練。避難所の運営や災害時の医療活動など多岐にわたる訓練を通じて参加者は実際の災害発生時をイメージし、今後の課題を見つめた。

 「児童生徒は見知らぬ人が大勢来たらパニックになる。臨機応変に対応したいがどこまでできるか」。知的障害のある子どもたちが通う県立掛川特別支援学校の鰐口昌安副校長(56)は福祉避難所運営訓練に取り組みながら不安を口にした。

 市との約束で同校に開設する福祉避難所の対象は同校の児童生徒だけ。しかし、災害時に一般避難所で生活が難しい要配慮者らが頼ってきたら拒否するのは困難。鰐口副校長は「本校の子どもを守ることを第一に、外部からの避難者と生活空間を分けるなど具体的方法を行政と相談したい」と話した。

 広域避難所に指定された市立大須賀中の体育館前では、訓練が始まっても住民らが手持ち無沙汰な様子で指示を待っていた。

 熊本地震の被災地では避難所運営が行政職員の負担になり、復旧復興に遅れが出る事例が目立った。市は避難所運営を全面的に住民に任せる方針だが、初めての訓練に戸惑う参加者も多かった。大須賀第一地区まちづくり協議会防災部会の宮崎高司会長(65)は「避難所開設までの流れは分かった。関係機関と連携した訓練を毎年続けていくことが大事」と強調した。

 人口当たりの医師数が少ない“医療過疎地”の中東遠で、災害時医療体制の確立は大きなテーマ。「緊急度や重症度に応じたトリアージが機能しないと、唯一の災害拠点病院・中東遠総合医療センターがパンクする」。小笠医師会の加藤進会長(66)は危機感を示す。

 鍵を握るのは、重篤ではないが処置が必要な患者を引き受ける二次救護所。掛川東病院の二次救護所運営訓練で中心になったのは地元医師や看護師ら。加藤会長は「近所の開業医に患者を運び込んでも、薬などの備蓄には限りがあって診療を継続できない」と説明した上で、「二次救護所に医師を確保するため、事前から市民に災害時医療の仕組みを理解してもらう必要がある」と指摘した。

静岡新聞社

最終更新:9月5日(月)7時18分

@S[アットエス] by 静岡新聞