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大手、ベンチャー巻き込むNTT西日本のオープンイノベーション

アスキー 9月5日(月)6時30分配信

2014年より行なわれているNTT西日本のオープンイノベーション施策。そのキーマン中村正敏氏に話を訊いた。
大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
NTT西日本 第1回(全4回)
 
 大阪に本社を置き、西日本地域30府県における地域電気通信事業を営む西日本電信電話(通称・NTT西日本)。
 
 同社は2014年初頭ごろより、オープンイノベーションを旗印に掲げ本格的なスタートアップ支援に乗り出している。パートナー企業と一体となってイノベーションを創出することを目指す同社の取り組みをリードする、ビジネスデザイン部ビジネスクリエーション部門のアライアンスプロデューサー、中村正敏担当課長に話を訊いた。
 

スタートアップ37社が応募したアクセラレータープログラム
 現在、NTT西日本が展開しているスタートアップ支援は大きく2つの軸からなる。まずひとつは、スタートアップと共同でのサービス展開である。具体的な事例としては、おもに同社のセットトップボックス『光BOX+』を使って、スタートアップのサービスとのコラボレーションを推進している。分野・ジャンルは様々で、支援内容も共同マーケティング、プロモーション、チャネル連携など多岐に渡っている。
 
 もうひとつの軸が、オープンイノベーションの手法を取り入れたスタートアップとの事業創造に向けた様々な取り組みである。その代表的なものが、2015年10月から2016年3月にかけて実施した、新しいアクセラレータープログラムの共創モデル“NTT西日本Startup Factory”である。同社の研究所が取り組むテーマをオープンにし、それらを活かした社会を良くするコンテンツを募集したところ、37社ものスタートアップがビジネスアイデアを掲げ応募。
 
 書類選考を通過した20社がビジネスコンテストの場でプレゼンを繰り広げ、最終的に4社が選ばれた。
 
 NTT西日本ではこれら4社とプロトタイプの作成やユーザー評価などを実施しており、現在は事業化の検討が進められているという。
 
「それぞれのスタートアップの夢に寄り添っていこうと決めているので、事業化のスパンも様々です。すぐに事業化に移せるものもあれば、1~2年後の事業化を目指して取り組んでいるものもあります」と中村氏は説明する。
 
同じ問題意識を持った大手企業約20社が集い、ベンチャーと交流
 これらの軸とはまた違った角度からのスタートアップとの取り組みが、2015年にNTT西日本をはじめとした大手企業5社により設立された一般社団法人“コトの共創ラボ”を通じた活動である。同団体が目指すのは、日本流のオープンイノベーションの創出だ。
 
 会員となる大手企業は現在は約20社にまで増えており、その輪は確実に広がり続けている。会員企業の業種も、通信、流通、電機メーカー、食品、金融など幅広い。基本的な活動内容は、“オープンイノベーションフェスティバル”をはじめとした各種イベントの開催、それに大企業と起業家の橋渡しだ。
 
「参加しているのは企業というよりも“ヒト”です。誰もが熱い気持ちを抱いて、世の中をより良くするような新しい事業を創りたいと本気で考えています。ただ単に儲けたいだけという人などいません。ビッグビジネスを最短距離で創出しようとしたとき、残念ながら日本の大手企業で起きにくくなっているのは事実でしょう。そうした問題意識を多くの企業、人々が抱いていて、その壁を打破するためのパートナーが集っているのがコトの共創ラボなのです」と、中村氏は力説する。
 
 自社だけでなく、日本の大手企業とベンチャーのパートナーシップ創出にも力を入れる中村氏。次回は中村氏がスタートアップ支援に身を捧げるようになった経緯について切り込むことにしたい。
 
NTT西日本
コトの共創ラボ
 
文● 小池晃臣/ 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

最終更新:9月5日(月)6時30分

アスキー