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ご注意を!預金が消えてしまうケースも?「休眠口座」の大切なお話

ZUU online 9月5日(月)17時10分配信

金融機関、そして取引先からマイナンバーの提出を求められる機会が増えました。私のような個人事業主は、その都度コピーをして郵送の手続きをする必要があり、結構手間がかかります。

マイナンバーは、個人資産を把握するために「預金口座などへの紐付け」をしようとしています。近い将来、預金者は銀行にマイナンバーの報告を求められるようになるかもしれません。

もちろん、預金者からの反発も多いようですし、銀行の事務負担も相当なものです。まだまだ議論の余地を残すところでしょう。そうしたなかで気になるのは「休眠預金」の存在です。

そもそも「休眠預金」とは何なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

■銀行に500億円のお金が眠っている「休眠預金」

休眠預金とは「休眠口座」の預金のことです。具体的には、金融機関で定期預金の最後の満期日や、最後にお金を出し入れした日から銀行で10年、ゆうちょ銀行では5年以上経過したもので、いずれも預金者本人と連絡がつかないものを言います。

預金者に連絡がつかないばかりでなく、預金者自身も完全にその存在を忘れているケースが少なくありません。

休眠預金をそのまま放置していると最終的にどうなるのでしょうか?

基本的には、預金は預金者に権利があり、銀行が時効を主張することはありません。請求をすれば、いつでも払い戻してくれます。あくまで基本的にですが。

休眠預金は、銀行全体の預金ベースでみると毎年約850億円発生していて、そのうち解約などで350億円が預金者へ払い戻されています。つまり、残り500億円が払い戻されずに銀行に「眠っている」ことになります。

そこで、政府はこの休眠預金を活用しようと法案を出しましたが、廃案になった経緯もあります。

■「休眠口座」にしておくと口座手数料を取られるケースも

たとえば、実家を整理していて何年も使っていない古い通帳を見つけたことはありませんか? 合併を繰り返して銀行の名前も変わっていると思いますが、大丈夫です。業務を引き継いだ銀行に通帳を持っていくと口座を再開できます。もちろん解約をすれば払い戻しも可能です。

金融機関によっては管理コストがかかることから、管理手数料を徴収するところもあります。

りそな銀行の場合は「2年以上取引がない口座」は休眠口座として扱い、条件によっては、休眠口座手数料として年間1296円(税込)が引かれます。さらに口座手数料が払えなくなった場合は、自動的に解約になってしまいます。

金融機関によって休眠口座の扱いは異なりますので、注意が必要でしょう。

■休眠口座は簡単に解約できるの?

休眠口座の解約の手続きは少しやっかいかもしれません。

通帳やキャッシュカード、印鑑が揃っていれば問題はありません。通帳や印鑑を紛失してしまった場合、或いは引っ越しをしたり、結婚して姓が変わったのに口座をそのままにした場合は、住民票などが必要になります。

とはいえ、あまりに残高が少ないと交通費や書類などの手続きにかかる費用のほうが高くついてしまう可能性もあるので、悩ましいところです。でも、やはり自分の口座ですから、しっかりと管理することをお勧めします。

■平成26年度に155億円が権利消滅!「旧郵便局」の定額貯金、定期貯金

「期限をすぎても、自分の預金が手元に戻ってくるならひと安心」ですが、例外もあります。旧郵便貯金だけは注意が必要です。

「定額貯金」と「定期貯金」を眠ったままにしてしまうと、預けたお金が本当に消えてしまうのです。

現在の「ゆうちょ銀行」に預けた場合は、他の銀行と同じように権利が保証されます。しかし、2007年9月までに旧郵便貯金に預けた定額貯金、定期貯金は満期をすぎてから20年と2カ月放置すると、権利が失効してしまい、自分のお金ではなくなってしまうのです。もちろん引き出すこともできません。

権利が消滅したお金は、国庫に入ります。独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構によると、平成26年度末の睡眠貯金残高(休眠口座残高)は、なんと4749億円もあるといいます。また平成26年度に権利消滅したお金は155億円です。

通常の郵便貯金には適用されませんが、もしも定額貯金や定期貯金が残っているなら、権利を失わないように確認しておきたいものです。

少々手間がかかったとしても、自分のお金は自分で管理するのが基本です。お金は増やすことも大切ですが、無駄に「減らさない」ことはより重要なのです。この機会に放置された貯金通帳がないか確認してみてはいかがでしょうか?

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

最終更新:9月5日(月)17時10分

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