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『ストリートファイターV』プロゲーマーが若い学生たちを指導――ゲーミング合宿“Red Bull Gaming U”リポート

ファミ通.com 9月5日(月)20時47分配信

取材:ライター H.H

●プロゲーマーが若い学生たちを指導
 東京・渋谷のレッドブルホールにて、『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)のゲーミング合宿“Red Bull Gaming U”が実施された。第一線で活躍するプロゲーマーたちによる学生への講義や、学校対抗トーナメント大会の模様をリポートする。


 本イベントは世界で活躍するプロゲーマー8名が講師となり、2日間をかけて生徒たちに『ストV』を指導するゲーミングキャンプ。生徒は大学生、専門学校生、高等専門学校生が対象であり、事前に1学校あたり3名で参加校を募集。応募のあった27校の中から8校が選抜され、8校24名のプレイヤーたちが参加した。
 キャンプで行われるのは講師陣による講習&講義と、学校対抗トーナメント大会。全国各地から渋谷に集った生徒たちは近隣のホテルに宿泊し、レッドブルスタジオ東京ホールに用意された『ストV』練習環境を利用して腕を磨く。講師と生徒のメンバーは以下の通りだ。

■講師陣
sako、ウメハラ、ふ~ど、ボンちゃん、ときど、マゴ、板橋ザンギエフ、ハイタニ

■生徒
神戸電子専門学校 まっこりん(18)、くろずうう(19)、うりうり(18)
常葉大学 エルシャール(20)、さのっぴ(19)、さわかん(19)
慶應義塾大学 ズミ(20)、きぬこ(20)、斬(20)
駒沢大学 ぼくふぃ(20)、てんご(20)、ふみや(20)
東京大学 ドス(25)、ちゃつぼ(20)、ちょぐ(21)
同志社大学 つく氏(24)、くに(25)、しろり(24)
新潟大学 らちお(24)、ベガ(20)、ノキ(21)
秋田大学 yuki(19)、みうりんぐ(23)、ryo(19)

●キャンプ開始!
 初日となる29日の午前10時、レッドブルホールには参加者全員が集合して開会式を実施。イベントスタッフさんからの注意事項説明やスケジュール案内を経た後、講師陣の紹介と挨拶が行われた。各講師は各々の指導方針に軽く触れた内容を短くコメント。sako先生は“ビシビシ鍛える”こと、ときど先生は“技術はもちろん、何故格ゲーにのめりこむことになったのかといった哲学の部分に触れていく”旨などを宣言した。その後は参加校と生徒がひとりづつ紹介され、2日間のキャンプがスタートした。

 開会式後はプレイステーション4版『ストV』を使用した対戦台でのフリープレイ。生徒どうしが勝ち残りのルールで自由に対戦するコマであり、講師陣はこの対戦の様子を見て自身が担当する学校の候補を検討する。
 フリープレイ開始前には、連勝数TOP3の3名にレッドブル特性モバイルバッテリーが贈呈される旨が発表され、生徒たちは真剣な表情で腕前を披露。講師陣はボードを持ってメモをとりながら観戦し、生徒や他の講師たちと話しつつ担当する学校を吟味した。

●レクチャータイム
 フリープレイと昼食を済ませた後は各校が個別の練習室に分かれて待機。講師陣は話し合いによって担当校を決め、1部屋づつ順番に講師が入室する流れで各校に担当講師が告知された。各部屋での反応は多種多様。講師の入室直後から緊張を隠せない生徒がいたり、拍手と笑顔で講師を迎える学校があったりなど、様々な表情が見られた。

・学校別担当講師
神戸電子専門学校 板橋ザンギエフ先生
常葉大学 sako先生
慶應義塾大学 ふ~ど先生
駒沢大学 ときど先生
東京大学 ハイタニ先生
同志社大学 ウメハラ先生
新潟大学 ボンちゃん先生
秋田大学 マゴ先生

  その後は各部屋で夜までじっくりと講義&レクチャーが実施。ときど先生の担当する駒沢大学部屋では、翌日に予定されているトーナメント大会に勝つための戦術を考案。各生徒のオンライン対戦での実力を聴取し、相手校メンバーを想定して対抗手段を検討するなど、試合に臨むチームの監督といった雰囲気で指導していた。
 ウメハラ先生の同志社大学部屋では、先生の“雑音は集中を妨げる”という持論のもと、ヘッドセットを用意。生徒どうしに◯試合先取のガチ対戦をするように指示し、本番さながらの環境での試合内容を見てから生徒別に改善点を指摘していた。生徒のひとりには“対戦中にどういう形を目指すか”を考えるようにアドバイス。攻めるなら“このセットプレイに持ち込めば相手に関係なくダメージを奪える”、守るなら“この形にさえされなければ守り切れる”、といったゴールを決めてのプレイをするように促すなど、対戦の方針に触れた指導が行われた。

●2日目
 キャンプ二日目には学校対抗のトーナメント戦が実施された。レギュレーションは変則的な星取り戦が採用。まず、各対戦組み合わせは2試合先取で勝敗を決定する。先鋒戦、中堅戦、大将戦は生徒どうしのぶつかり合いで争い、どちらかの学校が3連勝すればそのまま勝ち上がり。2勝1敗となった場合には講師どうしが対戦し、計3勝になると勝ち上がり。2勝2敗になった場合にはお互いのチームの生徒から代表選手が出場して決定戦を争う。
 試合は1台のみで行われ、全試合を全員で観戦。生徒の対戦中には講師が教えた技術や試合構築方針を実践する姿が見られ、キャンプの効果を実感させていた。また試合中は講師と生徒がともに選手を応援。チームメンバーの勝利を全力で喜ぶ姿が見られ、ハイライトとなるシーンでは会場でも歓声があがるなど、盛り上がりつつ進行された。

 決勝戦に進出したのは新潟大学と慶應義塾大学だ。先鋒戦はズミ選手(ケン)がノキ選手(ミカ)に2試合連取で勝利し、慶應義塾大学が最初の白星を手にする。続く中堅戦ではらちお選手(ララ)が斬選手(ケン)を圧倒し、新潟大学が取り返す。大将戦ではベガ選手(ラシード)がきぬこ選手(ミカ)に勝利。新潟大学が2勝1敗のアドバンテージを得た状態で講師戦にもつれ込む。講師戦ではボンちゃん先生(ナッシュ)の動きが冴え、ふ~ど先生(ミカ)の接近を置き技で上手く対処して1試合を先取。2試合目もナッシュの堅実なペースが続き、最後はジャッジメントセイバーでミカにトドメを刺して勝利。新潟大学が優勝となった。

 表彰式後は修了式。各講師が、自身の担当した生徒ひとりひとりにコメントとともに修了証を授与した。以上にてキャンプの全てのプログラムが終了。その後は野試合台が解放され、時間の許す限り対戦が楽しまれつつ今回のキャンプはお開きとなった。


●イベントを終えた講師に直撃

ウメハラ先生 正直なところ、“Gaming U”というイベントは存在は知っていましたがいままで関わったことがなく、ピンときていませんでした。しかし、実際に参加してみるとすごくいいイベントだと思いました。これだけの規模で開催するのは簡単ではないかもしれませんが、いろいろなところでこういった方針のイベントをやればコミュニティの活性化につながるのではないでしょうか。

ボンちゃん先生 今回のゲーミングキャンプは教えたつぎの日に大会というスケジュールでしたが、いきなり大会で教えたことを活かすのは難しいと思っていました。ですから指導では、翌日の大会でやりたいことにはあまり触れず、新潟に持ち帰って後々理解を深められる内容を中心に教えました。しかし、生徒たちは大会中に教えたことをやってくれる場面があり、応用力の高い子たちだと感じましたね。自分はトーナメントの初戦で講師戦で負けたのですが、生徒のらちお君が代表者戦で勝ってくれて勝ち上がることができました。そこでいい流れができたからこそ、優勝まで辿りつけたと思っています。チームの勝利ですね!

sako先生 一日使ってゲームを教えると聞くと長く感じられますが、実際には短すぎると感じるくらい充実していました。格闘ゲームは教えられる側にある程度の地盤があって初めて、教えられたことが実戦できるという側面があります。ですから、1日や2日教えてもすぐに戦力にすることは難しく、正直なところ時間が足りなかったと思いました(笑)。格闘ゲーム上達にはやっぱり時間がかかり、効果が出るには一ヶ月ぐらい欲しいですね。そういう点を踏まえて、生徒への指導では“強い技を振ることと、その対になる選択肢を持つようする”など、今後の課題を与えるようにアドバイスしました。いままでゲームを教える機会はあまりなく、講師としての参加は非常に楽しめたのでまたこういった企画があれば参加してみたいですね。


・大会優勝校、新潟大学メンバー感想コメント

ノキさん キャンプ初日のフリープレイでは全然勝てませんでしたが、今日の大会ではボンちゃんさんに教えてもらった内容を活かすことができました。大会で実践できたこと以外にも多くのことを教えてもらったので、家に持ち帰ってたくさん練習してうまくなろうと思います。

ベガさん ボンちゃんさんに教えてもらった対空方法を試合で1回だけ成功させることができて、それが本当にうれしかったです。トーナメントではらちおさんとボンちゃんさんにつなげばなんとかしてくれると思って必死で頑張りました。優勝できてよかったです。

らちおさん 前日のボンちゃんさんの教えがあって優勝できました。本気でこの大会の優勝を目指していたのでうれしいです。次回のTOPANGA大学対抗戦に向けてがんばりたいと思います。ありがとうございました。

最終更新:9月5日(月)20時47分

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