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平らな鍵盤 ピアノ開発 研究、試作に30年 下田の菅野さん

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月5日(月)17時25分配信

 下田市のジャズピアニスト菅野邦彦さん(80)が、鍵盤に段差がなく、黒鍵と白鍵が平らに並んだ独自のピアノを完成させた。30年以上続いた研究開発と実現への執念が結実した。同市の下田ビューホテルに置かれている。すでに商標登録を済ませ、特許申請も検討中だ。

 菅野さんは1950年代にプロデビューし、米国のクラリネット奏者トニー・スコットのバンドなどで活躍後、ブラジルや米国で約7年半活動した。

 「平らな鍵盤のピアノ」の開発に乗り出したのは帰国した80年以降。「黒鍵の出っ張りは指が引っかかり、滑らかな演奏を妨げる。もっと安全に、優雅に弾けるようにしたい」と思ったからだ。

 95年に下田市に移住し、地元の木工職人の手助けを受け漆塗りを施した木製鍵盤の試作を重ねた。各界の専門家がプロジェクトチームをつくって後押しし、改良を重ねてアクリル樹脂製の鍵盤が完成した。

 試作品には一般的なピアノに比べ演奏時のタッチが軽すぎる傾向があったが、弦をたたくハンマーの支点位置を工夫するなどして完成させた。「弾き心地が良くなった。音量を制御しやすい」と菅野さん。開発に関わった機械部品設計者の甲賀信秀さん(59)=相模原市=は「鍵盤の間隔を一定にするよう気を配った。上質な仕上がり」と太鼓判を押す。5月には菅野さんの後援会が「21ウルトラキーボード」などの名称を商標登録した。

 菅野さんは8月から、“指ならし”を兼ねて、来店客に演奏を披露している。「いずれ教則本を書きたい」。今後は新しいピアノの普及に心血を注ぐ。



 <メモ> 菅野さんは週3~4回、下田ビューホテルのカフェ「シャンタン」で「平らな鍵盤」のピアノを演奏している。9月は5、8、10、11、13、14、17、18、20、26、27、28日で、午後1時~2時半と午後8時半~10時の2回(10、26日は夜のみ)。

静岡新聞社

最終更新:9月6日(火)10時57分

@S[アットエス] by 静岡新聞