ここから本文です

NECと東大、日本の競争力強化めざし大型連携始動

EE Times Japan 9月5日(月)10時35分配信

トップ同士がビジョン共有

 NECと東京大学は2016年9月2日、戦略的なパートナーシップを結び、人工知能(AI)分野などを対象に総合的な“産学協創”を開始したと発表した。両者はこれまでも共同で技術開発などを実施してきたが、今回のパートナーシップは「両者のトップがビジョンを共有し、より大型の連携であり、両者ともに初めての試み」(NEC/東京大学)という。両者はまず、AI分野で共同研究、人材育成などを目的にしたパートナーシップ協定を結び3年後をメドに、革新的な研究成果の創出を目指す。

「NEC・東京大学フューチャーAI研究・教育戦略パートナーシップ協定」の概要 出典:NEC/東京大学

 同日、本格的なスタートを切ったという戦略的パートナーシップに関する記者発表会には、NEC社長兼CEOの新野隆氏、東京大学総長の五神真氏と、両者のトップがそろって登壇。2人とも今回の連携が、組織対組織の合意に基づき、強力に連携して、成果を生んでいく姿勢を示した。

“億円規模の投資”を約束

 NECの新野氏は「これまで、企業と大学の共同研究は、研究者同士など現場間の同意に基づき、開発費数百万円規模レベルが多かった。今回は、経営層も互いにビジョンを共有し、運営に関与する取り組み。億円規模の研究開発投資を行う」と明言。さらに、超一流の研究者を共同開発に派遣することや優秀な大学院生に対する奨学金を提供すると表明し「(連携で得られた)成果の事業化の推進もNECとして約束する」と述べた。

 また、今回のパートナーシップは単純な技術開発領域にとどまらず、開発成果を社会実装するための倫理/法制度の検証までを含み、人文系研究者も参画する点にも特長を持つ。「NECとしての競争力強化、強いては、日本の競争力強化に貢献したい」という目標を掲げる。

ブレインモルフィックAI技術

 具体的な活動としては、まず、AI分野に焦点を絞り「NEC・東京大学フューチャーAI研究・教育戦略パートナーシップ協定」を結び、次世代型AIの開発を進める。

 東京大学生産技術研究所 教授の合原一幸氏を中心に、両者のトップクラスの研究者10人以上をコアメンバーとして共同開発を行う。合原氏は、人の脳の構造を模した「ブレインモルフィックAI技術」の研究者であり、同AI技術の構築が中心となる。将来的には、高度なAI処理を高い電力効率で行える自動車や監視カメラ、産業機器などに搭載可能な脳構造を模したアナログ回路搭載デバイスの実現を目指す。NECの最高技術責任者(CTO)を務める執行役員常務の江村克己氏は「3年後をメドに、ブレインモルフィックAI技術で一定の成果を得たい」とした。

 新野氏は、「AIでの連携は、第1弾の取り組みであり、他にも合意できた分野で第2弾、第3弾の活動を実施していく」としている。

最終更新:9月5日(月)10時35分

EE Times Japan