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アングル:中国に浸透する自動車ローン、販売回復の一助に

ロイター 9月5日(月)14時22分配信

[北京 4日 ロイター] - 節約志向が強かった中国消費者の間で、自動車ローンの利用が急速に広がっている。販売増と利ざや拡大にしのぎを削る自動車メーカーが、ローンの提供に力を入れているためだ。

サンフォード・C・バーンスタインとデロイトのアナリストによると、昨年は中国の自動車購入の30%近くでローンが利用され、販売回復の一助となった。

これは中国政府にとって歓迎すべきニュースだ。政府は重工業と投資主導の経済成長からの脱却に向け、消費者が借金をして消費を増やすことを望んでいる。

北京在住のWang Danianさん(28)は、初めての車をローンで買おうと考えている。「(ローンを借りれば)キャッシュを別のことに使える。車を買うために貯金を使い果たしてしまうわけにはいかない」と話す。

ロイターが取材した消費者6人全員が、低い手数料や金利ゼロといった条件にひかれ、ローンの利用を検討していた。3人は、ローンで買ってキャッシュは他のことに回したいと述べた。

米国では自動車購入に占めるローン利用の割合が80%を超えており、中国は遠く及ばない。しかしデロイトの予想では、2020年までに50%に達しそうだという。

世界の自動車メーカーはこれまで、中国における自動車ローンの提供に苦慮してきた。独フォルクスワーゲン<VOWG_p.DE>は2004年に中国で金融子会社を設立したが、ローン提供と資金調達源に関する厳しい規制に縛られてきた。

しかし中国政府が過去7、8年間で徐々に規制を緩めたため、ローンの利用が増えている。独ダイムラー<DAIGn.DE>の高級車部門メルセデスは、今では中国販売の30%超でローンが利用されていることを明らかにした。

景気減速に伴い、中国の自動車販売は昨年不振だったが、10月には小型車に対する売上税減税の効果で底を打ち、ことし7月は過去3年半で最も大幅な増加となった。

バーンスタインは4月、販売回復は減税が最大の要因だが「自動車ローンの浸透も、目立たないながらブームをけん引した」との見方を示した。

<デフォルトの恐れ>

昨年は中国自動車メーカーの中でもローン事業を始める例が増えた。一部は今年前半の業績にローンが大きく貢献した。

長城汽車<600104.SS>の場合、主に金融子会社のおかげで金利収入が140%増加。比亜迪(BYD)<002594.SZ><1211.HK>は販売の13.6%がローンによるもので、既に利益に相当貢献していると説明している。

ただ、コンサルタント会社オートモティブ・フォーサイトのマネジングディレクター、イエール・シャン氏によると、中国には米国のような信頼できる個人の信用評価システムがないため、デフォルト(債務不履行)リスクの管理が難しい可能性がある。

中国が前回、ローンを通じた自動車販売に力を入れたのは1990年代末のアジア金融危機の後だが、リスク管理の不備などが原因で2000年代半ばにはデフォルトが多発したとシャン氏は説明した。

(Jake Spring記者)

最終更新:9月6日(火)10時17分

ロイター