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高まる原油安リスク。その背景と日本への影響は?

投信1 9月5日(月)12時10分配信

年初には20ドル台(1バレル当たり、以下同)まで急落していた原油価格(WTI期近、終値)ですが、4月以降はおおむね40ドルから50ドルのレンジ内で推移しており、安定感を取り戻しつつあるようです。とはいうものの、主要産油国による増産凍結への期待から一時50ドルに迫り、年初来の高値圏まで戻していた原油価格が8月末にかけては大きく失速しています。

マーケットの関心は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施されるのかどうかに傾いていますが、その影に隠れて原油価格の下落リスクが高まっている模様です。

米国のドライブシーズン終了で過剰在庫がさらに膨らむ見通し

原油価格の下値不安が強まっている背景として、ドライブシーズン終了に伴う需給の緩み、主要産油国による増産凍結観測への信頼の低下、リグ数増加による米国での増産観測の高まりの3点が挙げられます。

米国では5月の最終月曜日のメモリアルデーから9月最初の月曜日のレイバーデーまでをドライブシーズンと呼び、ガソリンの需要期とされています。ところが、8月のガソリン在庫は、この時期としては過去最大のレベルに積み上がっており、その影響でドライブシーズン中に取り崩しが進むはずの原油在庫の調整が遅れています。

今年は9月5日でドライブシーズンが終了し不需要期を迎えることから、既に過去最大の水準にあるガソリンや原油の在庫が一段と膨れ上がるのではないかと心配されており、こうした懸念が足元での原油価格を押し下げています。

増産凍結は合意が困難、40ドル台維持なら合意は見送り

主要産油国は9月26日から28日にアルジェリアで開催される国際エネルギーフォーラム(IEF)で非公式会合を開き、増産凍結を協議する見通しです。

ただし、主要産油国は4月にも増産凍結を協議するためにドーハで会合を開きましたが、この時はイランの不参加により合意に至りませんでした。また、6月のOPEC総会でも増産凍結が期待されましたが、合意されませんでした。

イランでは1月に経済制裁が解除されて以降、原油生産が増加傾向にありますが、4月の会合では経済制裁前の水準まで生産水準が回復していないことを理由に欠席しています。現在は、ほぼ制裁前の水準まで生産が回復していることから、今回は協議に参加する見通しです。

ただし、サウジアラビアとイランはイエメンでの代理戦争を継続しており、国交も断絶したままです。こうした緊張関係が合意を困難にしており、この状況に変化が見られないことから今回も合意には至らない可能性があります。

また、OPEC内では、不安定な国内情勢から本来の生産能力を大きく下回っているリビアやナイジェリア、そしてイラクが増産凍結には難色を示すことが予想されています。

「増産凍結」は原油価格が下落すると産油国から表明されることから、いわゆる「口先介入」の可能性があり、マーケットでは本気で凍結する意思があるのかどうかについて疑心暗鬼となっています。

今回も、一時50ドル台を回復した原油価格が30ドル台へと反落した場面でこの話題が再浮上していますので、見方を変えると価格が40ドル以上で推移しているのであれば、危機感が薄れるとも考えられます。

これまで増産凍結が合意されなかった背景には、急落していた価格が持ち直したことによる安心感もあったようですので、今回も開催時に40ドル台が維持されている場合には、増産凍結で合意することは難しいかも知れません。

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最終更新:9月5日(月)12時10分

投信1