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JA・農家発 化粧品 安心が売り 原料の消費拡大にも

日本農業新聞 9/5(月) 7:00配信

 JAや農家が、オリジナルの化粧品を開発・販売する動きが広がっている。農家が原料を育てているという強みを生かし、化粧品を通して産地や農産物の消費拡大につなげる狙い。食用の茶やハトムギ、果実のエキスに加え、ユズの皮と種などの未利用部分を活用し、農家の視点で開発した。

・農業女子がクリーム 石川

 石川県の農業女子グループ「石川なないろ~I☆M☆J~」は、「畑の国のアリス ハンドクリーム」(50グラム1620円)を開発した。市販のクリームは農作業用の手袋をするとべたつき、化学薬品が入っているのも気になっていた。「手袋をしてもべたつかず日焼け止め効果があり、口に入れても安全で安心できるものを作りたかった」と濱田友紀さん(46)。県産の米ぬか、「加賀太きゅうり」のエキス、メンバーが生産したブルーベリーのエキスを加え自然派化粧品メーカーのルバンシュ(石川県能美市)と共同で開発。今春から販売を始めたところ、母親などからの問い合わせが多いという。

 同県JAはくいは、特産のハトムギで、女性職員が「みたから天女化粧品」を開発した。ハトムギエキスを97%使用した美容液(33ミリ、3000円)で、JAは「化粧品は数%のエキスを加えると『高濃度』とされるが、97%の濃度の商品はまずない」とアピールする。

・一番茶でせっけん 佐賀

 佐賀県の西九州茶連も、地元の「うれしの茶」を使って、嬉野温泉組合の「おかみの会」と化粧品を販売する。原料には一番茶を使用。茶のエキスを加えたせっけんやシャンプー、温泉水を使った化粧水、美容液などを扱う。

 8月には「うれしのぷるるん石けん」(648円)も発売。「化粧品を通じて、うれしの茶を知ってもらうチャンスが広がる」と生産販売課の小田昭徳課長。

 ユズの種や皮などの残さからオイルを抽出し、化粧品を開発するのは高知県JA馬路村。肥料にしていた皮や種を活用し、化粧品やアロマオイル、入浴剤、せっけんなどにして発売する。

・販路拡大が鍵 農産物の化粧品利用に詳しい岐阜県農業技術センター・新川猛主任専門研究員の話

 化粧品は単価が高く、利益率は高いが、販路を持たないJAがどこまで販路を広げられるかが課題となる。

 成功例は、ムラサキイモやシークワーサー。化粧品以外にも、菓子や健康食品など幅広い商品を展開することで原料の使用量が増え、農家の手取り向上と産地の活性化につながる。

日本農業新聞

最終更新:9/5(月) 7:00

日本農業新聞