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400年前すでに免震構造、薬師堂 福井・おおい、専門家も評価

福井新聞ONLINE 9/5(月) 17:40配信

 福井県おおい町名田庄納田終にある県指定文化財の薬師堂の耐震性評価を行ってきた舞鶴高専の高谷富也教授が2日、同区内の同町暦会館を訪れてシミュレーション結果を住民に伝えた。建物は耐震基準を下回っているものの、地震の際に礎石にじか置きした柱が揺れに反して礎石の上で滑り動くことで免震効果が働き、「倒壊は免れる」とした。

 高谷教授は福井県小浜市内の古民家などでも耐震性評価実験を行ってきた。薬師堂は1187年の創建とされる。2度の火災で焼失し、1617年に再々建されたという。2010年に屋根のふき替えや部材の修理など改修が施された。

 耐震性実験は14年9月に機械を使い、建物に振動を加えるなどして実施した。新耐震基準の建物の場合、7~8程度の値が出るところが、同堂は2~3とかなり下回った。

 実験で得られたデータ、柱や梁(はり)などの構造を基に阪神大震災時の神戸市の震度6強波形でシミュレーションしたところ、礎石に柱が固定された場合は倒壊するとの結果が導かれた。ただ実際には柱は固定されておらず、免震と同じような効果が期待でき、摩擦係数が少ないほど地震時に被害が小さくなることが明らかになったという。

 この日、高谷教授は調査結果を、薬師堂を管理する同区の高橋秀和区長に伝達。シミュレーション結果をまとめた2枚のパネルを手渡した。

 高橋区長は「6年前の改修では、費用の面で耐震工事までできなかった。結果を聞き、ほっとした」と胸をなで下ろした。高谷教授は「400年間残ってきたのは、免震効果という先人の知恵のたまもの」と話していた。

福井新聞社

最終更新:9/5(月) 17:54

福井新聞ONLINE

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