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ぴったりの服で天国へ、手縫いベビー服贈る 死産の悲しみ超え、母親らボランティア 佐賀

佐賀新聞 9月5日(月)12時3分配信

納棺時、ぴったりの服で

 出産前後に亡くなった赤ちゃんのために、手縫いのベビー服を贈るボランティアグループが佐賀県内にある。納棺時に着せる服が市販のものでは大きすぎるケースが多く、ぴったりの服で送り出したい親の気持ちをかなえるために活動している。メンバーも死産などを経験している女性たちで、一針一針、思いを込めて縫い込んでいる。

 グループは「にこにこ257(にこな)の会」。活動のきっかけになった赤ちゃんの名前から取った。メンバーの原田恵里香さん(33)=唐津市=が2年前の9月5日、佐賀市内の病院で第1子の出産に臨んだが、分娩(ぶんべん)中に亡くなった。女の子で、「にこな」と名付ける予定だった。

 にこなちゃんは胎内での発育が遅れ、身長は37センチだった。市販の服は、最も小さいサイズでも50センチの大きさがある。「夫が服を買ってくれていたけど、だぶだぶだと余計にかわいそうに見えて…」。火葬までの2日間は、病院が用意した白い無地の服を着せた。

県内、毎年150例以上

 県内では毎年150例以上の死産が報告されているが、友人の川島聡美さん(34)=佐賀市鍋島町=が原田さんのために自助グループを探しても、県内にはなかった。川島さんも3年前、同じような経験をしており、「近くにグループがないなら私たちでつくろう」と、2人で活動を始めた。

型紙は横浜のグループから

 インターネットで「天使のブティック」という横浜市のボランティアグループの存在を知り、型紙を譲ってもらった。「1人で悲しんでいる人が近くにいるはずだから、ぜひやってください」と後押しされ、ネットで仲間を募ると、県内外から反応があった。

呼び掛けに県内外から15人

 メンバーは佐賀や福岡、熊本、大分県の15人。2カ月に1回、佐賀市の公民館などに集まって作業をしている。これまで佐賀大学附属病院や県医療センター好生館など4病院に10着ずつ贈った。利用した母親からお礼のメールをもらったときは「活動をやってよかった」とみんなで喜んだ。

8センチ~ 4サイズ、多くの絵柄そろえる

 服は8、10、20、30センチの4サイズを作っている。「子どものために服を選ぶのはママの楽しみだから」と、できるだけ多くの絵柄をそろえようとしている。

 会合では、それぞれが手元の作業に集中しながら、さまざまな話題でおしゃべりをする。2人は「来たいときに気軽に参加できるような緩い会にして、地道に長く活動したい。こういう場を必要とする人は必ずいるはずだから」と話す。

 問い合わせは川島さん、電話090(5929)5288。

最終更新:9月5日(月)12時3分

佐賀新聞