ここから本文です

いぼ痔かもっと思ったら 強い痛みや腫れは手術を

山陽新聞デジタル 9月5日(月)11時57分配信

 「いぼ痔(じ)」について、チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(倉敷市)の竹馬彰理事長に寄稿してもらった。



 今回はおしりの病気で一番多い「いぼ痔(じ)」についてお話します。

 「いぼ痔」は内痔核と言われる直腸粘膜と肛門の皮膚の境目にできるものと、外痔核と言って肛門の外側の皮膚にできるものがあります。直腸の末端から肛門の周囲にかけてはそこが動脈と静脈の折り返し地点であることからもともと血管が豊富です。その血管が豊富な部分はある意味クッションのような役割をもっていますが排便時間が長かったり同じ姿勢でいることが多かったりするとその血管のうち特に静脈が拡張してコブ(静脈瘤(りゅう)をつくっていきます。これが「いぼ痔(痔核)」です。

 急に肛門が腫れてコブのようなものができたと病院に来られる方の多くは痔核のうち外側にできる外痔核に血栓(血のかたまり、血豆のようなもの)ができる「血栓性外痔核」という状態です。大きさや腫れ方により痛みの程度もさまざまですが多くの場合は軟膏(なんこう)を塗布したり内服薬を用いたりしていると血栓は次第に小さくなり吸収されていきます。時に表面の皮膚が破れて出血することもありますが通常大出血することはありません。痛みや腫れが強い場合には血栓を取ってしまったほうが早く楽になることもあり手術をお勧めしますが多くは外来で局所麻酔下に行うことが可能です。血栓性外痔核を切除せずにお薬で治した場合、皮膚のシワ状のものが残ることがあります。通常痛みはありませんのでそのままにしていてかまいません。

 内痔核の場合は出血や排便時や気張ったあとなどに痔核が外に脱出する「脱肛」という症状が気になって来院される方が多いです。内痔核の程度によってI度からIV度まで分類しますが出血がひどく坐薬(ざやく)などを使っても止まらない場合や脱肛症状がつらい場合には手術を行います。内痔核のみの場合は最近では痔核四段階注射療法と呼ばれる硬化療法で治療することができる場合もあります。この方法だと入院期間も短く術後の痛みもあまりありません。メリット・デメリットがありますので詳しくは専門医にご相談ください。

 女性の場合肛門の括約筋の厚みは男性に比べてもともと薄いため静脈瘤ができると容易に内痔核と外痔核が連続してしまいやすくなっています。このような場合には硬化療法では症状が取れないことが多く従来の手術をお勧めします。

 ただ、「いぼ痔(痔核)」の場合いぼ痔があるからといってどうしても手術をしなければいけないわけではありません。症状があまり気にならない場合はそのままにしていても構わないのです。しかし出血を繰り返す場合、以前いぼ痔があると言われたからといってあまり放っておくと実は直腸がんからの出血だったということがありますからご注意ください。

 いぼ痔を持っている「痔主」さんは結構いらっしゃるものです。気になったら恥ずかしがらずに専門医にご相談ください。



 チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(086―485―1755)

最終更新:9月5日(月)13時4分

山陽新聞デジタル