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サブローが泣いた日 思いがけない涙と忘れられない助っ人の言葉

Full-Count 9/5(月) 17:21配信

ロッテ・サブローが流した2種類の涙

 05年10月17日。福岡ヤフードーム(当時)。千葉ロッテマリーンズが福岡ソフトバンクホークスを破って31年ぶりのリーグ優勝を決めた試合。サブローは泣いていた。試合中に泣いて、優勝が決まって、また泣いた。一方は悔し泣きで、最後は嬉し泣きだった。

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「昔は悔し涙をよく流していたよ。その時は嬉しくて泣くなんてありえないと思っていたけど……。あったんやなあ、嬉し涙ってやつが……」

 ホークスとのプレーオフ第2ステージは激戦だった。2勝2敗で迎え、勝った方がリーグ優勝(当時はプレーオフ優勝チームがリーグ優勝)。05年10月17日は1点を争う緊迫した試合となっていた。サブローは「4番・右翼」での出場。忘れもしない打席は8回にまわってくる。

 1-2の1点ビハインドながら無死一、二塁。絶好の場面で4番打者。それまで一邪飛、遊併殺、一邪飛と結果を出すことができなかったサブローは、自分で決めると強い気持ちで打席に向かった。勝ち越せば、夢にまで見た優勝が待っている。これまでお世話になってきた人たちの顔が頭の中に浮かんだ。

 1年目、プロのスピードに対応できず苦しみ、夜遅くまでバットを振り、練習した日々。99年、当時の山本監督に抜擢され、このチャンスをつかもうと必死に結果を出したとき。人生の師匠であり、父親とも慕う故・高畠コーチとの特訓の日々……。ネクストバッターズサークルから、打席に向かうほんの2、3秒の間。走馬灯のように記憶が蘇ってきた。

 向かう打席の先に見たことがない優勝という世界が待っている。「優勝っていいぜ。ビールかけは最高だよ」。優勝を知る他のチームの選手から、そう言われてもピンとこなかった自分との別れ。それが今、現実のものとして目前に迫っていた。自分を信じて夢が現実になることを願ってバットを振った。

嬉しかった助っ人の言葉、「サブロー、オマエがMVPだよ」

 しかし、思いを乗せたボールは無情にもファウルゾーンに上がった。気が付けば、力ない打球がドームの天井に向かって飛んでいた。二邪飛。4番として最低限の仕事すらできなかったことが悔しくもあり、情けなくもあった。今までやってきたことはなんだったのか。そう思うと目頭が熱くなった。ベンチ裏に下がると、誰も見えないところで一人、涙した。しかし、まだゲームが終わったわけではない。気持ちを入れ直すと、仲間たちが逆転してくれることを信じてベンチに戻り、声を張り上げて応援した。

 願いは届いた。その直後に里崎が左中間フェンス上段に直撃する逆転の2点適時二塁打を放ち、9回に守護神の小林雅英(現1軍投手コーチ)が締め、マリーンズナインが歓喜の胴上げのため、ベンチを一斉に飛び出した。右翼を守っていたサブローは外野手同士で抱き合った。すると涙が止まらなくなった。

「あそこで泣くなんて考えてなかったよ。メチャクチャ喜ぼうと思っていた。それなのに大塚さん(現2軍外野守備走塁コーチ)が柄にもなく泣いていた。あの人もこの試合で2三振。お互い苦しかったなあと思うと自然と涙が出てきた」

 マウンドに向かうと、フランコ、セラフィニの外国人コンビに言われた。「サブロー、オマエがMVPだよ」。この試合は4打数無安打。しかし、助っ人たちは分かっていた。シーズンで4番として、時にはつなぎ、時には決勝の適時打を打ち続けてきた男。サブローこそが、優勝へと導いてくれた主砲だったことを。

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最終更新:9/5(月) 18:29

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