ここから本文です

むかつく不在メッセージへの対抗策

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月5日(月)12時27分配信

 不在メッセージは当初、休暇中であることを知らせるためのシンプルな通信手段だった。留守番電話であれ電子メールの自動応答であれ、平凡で汎用(はんよう)的、無害で礼儀にかなっていた。

 だが時間とともに、わざとらしく、不機嫌で人を見下したようなメッセージが増えてきた。失礼としか言いようのないメッセージもある。どのような技術もいずれ他人に劣等感を抱かせる目的で使われることになるという社会規範が浮き彫りになっている。今日では、不在メッセージを聞いたり読んだりした時に、鼻であしらわれ、冷笑され、侮辱されたよう気分になることが多い。

 典型的なメッセージは、「マーサズ・ビンヤード島で16週間の休暇を過ごしており、帰るまでメールはチェックしません。チェックしたとして、あなたに返信する確率はどのくらいあるでしょう?」といったものだ。

 「ローマ法王または三極委員会(トライラテラル・コミッション)の委員長またはリアーナは、あるいは英国の欧州連合離脱に関しては、ご自由にメッセージを残してください。それ以外の方は、アシスタントのフリーダ(whatever@gmail.com)にご連絡ください」

 高慢かつ滑稽で人を見下したような不在メッセージを前にすると、人は無力感を覚える。自分に価値がなく、用件が重要ではなく、自分の職業がある意味ちっぽけかつ哀れであることが示唆されるためだ。

不快なメッセージで報復

 なぜ我慢しなければならないのか。返信が来ること確実な、非礼あるいは不快なメッセージを残して反抗してはどうか。私はいくつかの案を思い描いている。

 「タヒチ、フィジー、ボラボラでの休暇中にメッセージをチェックされていないことは承知しています。ただ、今朝お宅の前を車で通りかかったところ、見間違いかもしれませんが、増築部分が焼失し、インフィニティ(日産車)がめちゃめちゃにされていたようです。ご連絡まで」

 「週末にお邪魔して恐縮ですが、バイアコムの会長職をお引き受けいただけそうでしょうか。年間7800万ドル(約81億円)の給与と手当つきです。午前0時までにご連絡ください」

 「金曜までに100ドル札を13枚用意しろ。さもなければダックスフントは戻らない」

 医者の不在メッセージは特に腹立たしい。彼らは廃業したばかりの会社が製造した薬の処方箋を書いて1カ月休む。休暇中は絶対にメッセージをチェックしない旨の一般的なメッセージを残して行く。だが患者は本当に緊急事態であれば、全く役に立たない留守番電話サービスに電話すべきだ。

 医者は次のような報復を受けて当然だろう。

 「先生、ハンプトンにある大層な別荘でお過ごしのところにお邪魔してすみません。私が受けた8回の鼻整形手術で建てたのですよね。でも、前回の手術はあまりうまくいきませんでした。子どもたちから顔が怖いと言われます。弁護士と相談します」

 「鎮痛剤とテキーラを混ぜても大丈夫ですよね?」

 「先生、視床下部ではなくて視床の手術をするはずでしたよね。折り返し電話をいただけると大変ありがたいです」

By JOE QUEENAN

最終更新:9月5日(月)12時27分

ウォール・ストリート・ジャーナル

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。