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「日本紅斑熱」で死者も マダニ媒介の感染症と対策

伊豆新聞 9月6日(火)15時21分配信

 沼津市の香貫山を中心に、沼津アルプスとつながる伊豆の国市の山系山裾などで、マダニが媒介する日本紅斑熱が集中的に発生し、伊豆の国市と沼津市で死者も出ている問題は、関係地域や同地と森林で結ばれる伊豆地区住民の関心を集めている。病原体保有率の高いマダニが野生動物を介して伊豆半島に入って来る可能性も指摘されるなか、ダニが媒介する感染症について特集した。

 日本紅斑熱は1984年に初めて症例が確認され、九州や四国、紀伊半島など温暖な地域で多発する傾向がみられる。発生状況は2008年以降、毎年全国で100症例以上、14年以降は200症例を超え、増加傾向にある。

 キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニが主な媒介ダニ。症状としては39度以上の発熱、主に手や足、顔面への発疹、刺し口に直径0・5ミリ前後のかさぶたができる。潜伏期間は刺咬後2~8日。

 県環境衛生科学研究所が県内で行った採取で、多く見つかったマダニのベスト3が前記3種で、全体の80%近くを占めたという。

 ダニに詳しい静岡県立大客員教授の川森文彦さんは「香貫山からは南国系のヤマアラシチマダニやタイワンカクマダニも採取された。西日本で日本紅斑熱リケッチア(病原体)の保有率が高いヤマアラシチマダニは昔、県内にいなかったが、近年、伊東市や湖西市でも見つかった。香貫山は紅斑熱多発地である南九州や四国のマダニ相(生息種類)に最も類似し、この地域で多発していることもうなずける」と話した。

 沼津アルプス一帯のマダニは日本紅斑熱リケッチアの保有率が高く、伊豆半島への侵入が心配だ。沼津市口野の狩野川放水路付近のトンネル上で伊豆方面の山とつながっており、野生動物を通じて運ばれる可能性が懸念されている。

 ■発症の多くは中高年 長袖・長ズボン着用、かまれたら病院へ

 「発症する人は中年以上が多い。年配者は特に気をつけた方が良い。自然に接することが多い人は注意が必要」とし、「まずダニに刺されないようにすることが大事。ハイキングや農作業などの際には長袖、長ズボンを着用し、直接、草地などに腰を下ろさない。入浴の際、マダニが体に付いていないか点検し、もしかまれていたら自分で取らずに病院に行く」と川森さんは注意を促す。

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最終更新:9月6日(火)16時13分

伊豆新聞