ここから本文です

軽い食感はスナック感覚 夏の疲労には昆虫グルメのススメ

日刊ゲンダイDIGITAL 9月6日(火)9時26分配信

「虫、食べに行きません?」と、開高健ノンフィクション賞作家の黒川祥子さんから電話があったのは8月末。

 昆虫食を取り上げた本を読み、「食べずにどうこう言うのは間違えている」と思ったのだとか。2人だと“逃げ場”がなさそうだと、虫うんぬんを伝えずに、さらに仲間を2人誘った。

 向かったのは、「虫がうまい」と食べログで評価が高いミャンマー・シャン族の料理店「ノング インレイ」(東京・高田馬場)。狙っていた竹虫はシーズンオフでなかったが、セミ、コオロギはあった。初めてなので、1000円以下という値段がリーズナブルなのかどうかが分からない。

 仲間2人に、初めて「今日は虫を食べる」と明かす。引くかと思いきや、意外にも普通の反応。高知出身30代のSさんは「イナゴやハチの子は地元では食べていた」。千葉出身40代のNさんは「まぁ、普通ですよ、きっと」と、至って冷静。最初はビビり気味だった黒川さんも「そういえば、母親は疲れている時、よくイナゴを食べていた。近所の人の手作りのイナゴは、特に宝物のように大事に食べていた」。

 早速、登場。実際に目の前にすると、皿が小さいためか、色が黒くて虫の細部が見えないからか、想像していたほど“恐怖”を感じない。一斉に3人が手を出し、そろってもらした感想は「エビの空揚げ!」。サックサクで臭みゼロ。醤油っぽい味付けが食欲をそそる。まったくのスナック感覚。特にコオロギは「いい」と高評価だった。

「虫には、良質なタンパク質をはじめ、健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれている。心理的な抵抗さえ捨てれば、本当に魅力ある食材のひとつ。今回の経験までは『絶対、虫なんて無理』と思っていましたが、今は『幼虫系も食べてみたい』と、都内の昆虫食の店を検索するほどに」(黒川さん)

 今年は残暑が厳しく、疲労感を抱えている人も多いだろう。虫で吹き飛ばしてはどう?

 ちなみに、ただ一人、虫に手を出せなかったのは、記者でした。

最終更新:9月6日(火)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL