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5万円超えでVIP待遇も 病院に払う「予約料」って何だ?

日刊ゲンダイDIGITAL 9月6日(火)9時26分配信

「初めて行った病院で、診察が終わって次回の予約をしたところ、初診料、診察料のほかに『予約料』を請求されて、面食らった」――。こんな経験はないだろうか。病院によっては、マスコミなどに登場する有名医師の診察を予約する場合、通常の初診料以外に予約料を取られることがある。どういう性格の費用なのか? 長浜バイオ大学医療情報学の永田宏教授に聞いた。

「予約料とは、厚生労働省が認めている『選定療養費』のひとつです。選定療養とは、患者が選定して、特別な費用負担をすることで得られるサービスのこと。『入院時の差額ベッド代』『紹介状なしの大病院の初診』『他の医療機関の紹介を受けながらの大病院の再受診』『歯科の金合金』『時間外診療』『小児の虫歯指導』『180日以上の入院』『制限回数を超える医療行為』などに認められています」

 厚労省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、平成26年7月1日現在、「予約料」を取っている病院は全国で447施設。その金額は最低20円から最高5万4000円だという。

 ちなみに、「差額ベッド代」は100~37万8000円、「紹介状なしの大病院の初診」は医科5400円、歯科3240円、「時間外診療」は70~1万6200円、「入院期間が180日を超える入院」については1人1日当たり400~5120円と報告されている。

■VIP待遇を受けられる病院も

「予約料は、長時間待たされることなく一定時間以上の診察を受けるための費用です。高額な予約料を取る病院では、専用の入り口や豪華な診察室を設け、『3分診療』などと揶揄される診察時間も30分近く設定、患者が指名した医師に診てもらえるなど、VIP待遇を受けることができます」

 ただし、予約診療を行っている医療機関すべてが予約料を請求できるわけではない。請求するには細かなルールがあり、それをクリアしなければならない。

「例えば、①予約料患者を30分程度以上待たせてはいけない②予約料患者以外の患者もおおむね2時間以上待たせない③予約料患者の診療時間は10分以上確保、予約料患者の診察は1人の医師につき1日40人程度までとする④予約料患者の受け入れとそのシステムについて院内に分かるよう掲示⑤予約料が適切⑥料金改定は厚労省に届ける、などです」

■予約料を取る診療科目の苦しい事情

 予約料を取っている診療科目は、精神科や神経内科、人気医師がいる病院が多い。理由は保険点数が低く経営が苦しいか、患者が集まり過ぎているからだ。

「精神科の診療報酬単価は、すべての診療科の外来診療報酬と比較して、皮膚科に次いで2番目に安い。ところが、診療時間はダントツに長い。これでは病院や診療所を経営するのは難しい。一方で、人気の医師がいる病院は患者が集まり過ぎて一人一人の患者さんを丁寧に診られない。そこで、数千円の予約料を取ることになっているのです」

 少々お金がかかっても予約時間通りに診てくれて、診療時間も長くVIP待遇をしてくれるのなら、無理してもお願いしようと思う人もいるだろう。しかし、気をつけたいことがある。

「予約料は保険外診療ですので、医療費控除や高額療養費の対象外になります」

最終更新:9月6日(火)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL