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ソフトバンク、Pepper遠隔操作による介護支援へ

エコノミックニュース 9月6日(火)8時25分配信

 ソフトバンクグループのアスラテックは「Pepper」の介護施設への導入促進に向けて、ロボット遠隔操作システム「VRcon for Pepper」を使った検証を8月24~25日の間に実施した。検証内容は離れた場所にいる介護サービス利用者に対し、介護職員がVRcon for Pepperの活用でPepperを遠隔操作。コミュニケーションや見守りを実施するというもの。

 Pepperの遠隔操作ソフトVRcon for Pepperでは、ネット回線で接続されたPepperの、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末での遠隔操作が可能となる。これによって遠隔地の介護職員が、状況を確認しながらPepperのスピーカーからの音声出力が行なえ、遠隔での会話や要望の聞き取りといった効率的なコミュニケーション支援が実現する。今回の検証では、十分な介護サービスの提供と介護職員の負担軽減を両立できるかどうかを確認した。アスラテックは同検証結果を反映したうえで、VRcon for Pepper及びPepperのソフトバンク等との共同展開を計画している。
 
 厚生労働省によれば、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、全国で介護職員が約38万人不足すると予測されており、これを補う手段が模索されている。なかでも訪問介護員(ホームヘルパー)や施設系・通所系等の介護職員の人員不足が顕著で14 年7月には有効求人倍率が 2.18 倍(全産業平均:1.10 倍)にまで上昇している。介護職員の離職率も深刻で、離職率が10%未満の介護事業所が46.6%と半数近くもあるにも関わらず、介護事業所全体でみると離職率30%以上の事業所が20.9%あり事業所による差がみられる。事業所による格差には事業所規模によるものがあり、従業員が9人以下の小規模事業所では離職率が 22.3%で、100 人以上の事業所の14.1%と比較して高い水準にあることがわかっている(「介護労働実態調査(2013年)」介護労働安定センター)。要因としては、小規模な事業所ほど経営の効率性が悪くこのため給与水準も低いことや、要員に余裕がないため休暇や休憩が取りにくいことなどがある。また、一般の人の介護職に対するイメージに関しては、「夜勤などがあり、きつい仕事」(65.1%)、「給与水準が低い仕事」(54.3%)といったネガティブなものが多かった(「介護保険制度に関する世論調査(2010年9月)」内閣府)。

 Pepper遠隔操作による介護支援では、介護事業所の経営の効率化による人員配置適正化や労働賃金アップが期待される。また、介護職に対するネガティブなイメージの払拭にも貢献する可能性があり、今後の動向に注目したい。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:9月6日(火)8時25分

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