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市町BCP策定率54% 復旧復興に不可欠 静岡県

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月6日(火)17時13分配信

 大規模災害に備える「業務継続計画(BCP)」の策定について、県内全35市町中で作業を完了しているのは19市町で策定率は54・2%にとどまることが、6日までに県の調査で明らかになった。総務省消防庁まとめで、全国市町村の策定率は2015年12月時点で44・9%。4月に起きた熊本地震の被災地ではBCPを策定していなかった自治体が多く、復旧復興に遅れが出た。南海トラフ巨大地震が想定される本県でBCPは必要不可欠で、全国平均は上回っているものの、県は策定作業が未完了な市町に早急な対応を求めている。

 大規模災害の発生時は、応急対策の業務がのし掛かるだけでなく、住民基本台帳システムのいち早い回復など通常業務の継続も求められる。市町職員も被災して行政機能の低下が予想される。BCPで優先的に実施すべき業務を事前に定め、必要な施設や設備、物資などを準備することは、速やかな復旧復興のために非常に重要となる。

 計画策定には行政業務全体を緊急性や必要度で区分けすることが必要。牧之原市の担当者は「全庁的な作業で調整に手間が掛かる上、専門的な知識が要る部分もある」と困難さを説明する。伊豆市は2015年度に原案を1度まとめたが、16年度に機構改革があったため、大幅修正を余儀なくされた。同市担当者は「組織体制は毎年変わるので、その都度BCPも変更しないと。職員の意識付けが大変」とこぼす。

 BCPを災害時に実行するには、業務ごとのマニュアルが不可欠。磐田市はBCPを策定済みだが、同市担当者は「まだ屋台骨ができただけ」と現状を見つめる。庁舎の停電が続けば、各種証明書を手書きで発行する事態が想定され、同市は今後、各課で書式の統一や手順書の整備などを進める方針だ。

 県危機政策課の担当者は「災害後の状況を具体的にイメージし、対応ルールを整理しておくことが大切」とBCP策定の意義を強調した上で、「計画づくりが完了した市町も防災訓練などを通じて常に改善を図り、職員全体に浸透させてほしい」と呼び掛ける。



 <メモ>熊本地震の被災地でBCPを策定していなかった市町は、職員が支援物資の仕分けや避難所運営など、目の前の仕事に追われてしまい、被害状況の調査や罹災(りさい)証明発行など、復旧復興に必要な業務の滞りが目立った。国が示すBCPの重要要素には、非常時優先業務の整理▽首長不在時の代行順位と職員の参集体制▽代替庁舎の特定▽電気・水・食糧などの確保▽多様な通信手段の確保▽重要行政データのバックアップ―がある。県によると、BCP策定済みの市町のうち、三島、御殿場、焼津、磐田、袋井、湖西の6市が、すべての重要要素を満たしている。

静岡新聞社

最終更新:9月6日(火)17時13分

@S[アットエス] by 静岡新聞