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東京と北海道で暮らすアイヌ姉妹に密着したドキュメンタリーが公開

映画ナタリー 9/6(火) 14:29配信

アイヌ民族の姉妹に密着したドキュメンタリー「kapiw(カピウ)とapappo(アパッポ)~アイヌの姉妹の物語~」が、11月19日から東京・ユーロスペースにて公開される。

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本作は、東京で暮らしアイヌの歌や踊りを披露する姉・絵美と、故郷の北海道で家族とともにアイヌ料理店を営む富貴子の日々を切り取った記録映画。ときに衝突しながらも、初めての姉妹でのデュオライブを目指して奮闘する2人の姿を追う。監督を務めたのは、鈴木清順、黒木和雄、大林宣彦らの作品に助監督として参加してきた佐藤隆之。

現在YouTubeで公開中の予告編には、東京と北海道でのそれぞれの生活や、民族衣装を着て舞台に立つ姉妹の姿が収められている。

佐藤隆之 コメント
アイヌ民族──。かつてサハリン、千島列島、北海道から東北地方を中心に居住していた北方の民族だが、江戸時代から明治にかけて和人による同化政策のもと人口は減り続け、今ではおよそ3万~5万人が北海道を中心に「日本人として」生きている。
同化の過程で差別と弾圧を受け、独自の文化も言語(アイヌ語:ネイティブの話者はすでに存在しない)も失われてきた。1970年代よりアイヌ民族復権運動がわき起こり、現在ではアイヌ語や伝統の木彫、刺繍といったアイヌ文化を学ぶ人も多い。
しかし、南の先住民族である琉球民族に比してその存在感はマイナーで一般には誤解も多く、ともすれば「暗い・貧しい」といったネガティブなイメージで捉えられがちである。
また、そうでなければ【自然と共生する民族】【すべてを神として敬う】といったイメージが強調され、美化され偶像化されてもいる。
アイヌ民族を扱った近年のドキュメンタリー映画においては「TOKYOアイヌ」(2010年)が差別の実態と先住民族としての権利獲得を目指す人々を描き、「カムイと生きる」(2011年)があるエカシ(長老)のキャラクターを通じて後者のアイヌ観を描いたといえる。
本作品では前掲した二作とは全く別の視点で、ごく普通の母親でもある二人の歌手を描いてみたい。
二人は共に現代アイヌ音楽における実力者ではあるが、敢えて肩肘をはらない。かといって伝統をないがしろにするわけではない。その歌声、楽器の音色には確かに祖先から連綿と受け継いできたものが宿っている。唄は何処から生まれるのか。
歌うこととはなにか。そんなことを個性豊かな二人の生活を通じて描きたい。
それは「民族」の括りを超えた「ニンゲン」としての普遍性を描くことになるであろう。
また近年、マイノリティヘイトの一環としてアイヌ民族否定論が台頭し、一部で激しい論争が起きたことも記憶に新しい。本作品をそれに対しての「やわらかな反論」ともしたい。

最終更新:9/6(火) 14:29

映画ナタリー

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