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[時論]THAAD問題めぐる韓中の溝埋まらず 持続的な対話を

聯合ニュース 9/6(火) 15:53配信

【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備決定後、初めてとなった韓中首脳会談で、この問題をめぐる両国の溝があらためて浮き彫りになった。ある程度、予想されていたことだ。

 中国の習近平国家主席は5日、朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談で、THAAD配備に反対する姿勢を示した。朴大統領はこれに対し、THAADは中国の安全保障利益を損なわないことを説明し、理解を求めた。握手をした両首脳の表情が明るいとは言い切れないところから、会談の雰囲気がうかがえる。

 THAADをめぐる韓中のあつれきは、米国と中国の対立構図が内在する複雑な問題だ。たった一度の首脳会談で簡単に解消するようなものではない。

 習主席は、会談の冒頭発言ではTHAAD配備問題に言及しなかった。だが、非公開の会談では「(THAAD配備)問題をうまく処理できなければ地域の戦略的な安定の助けにならず、関連当事国間の矛盾(対立)を激化させかねない」と述べ、懸念を表明した。

 一方で、韓中関係のさらなる発展を願いながら「両国は肯定的な部分を拡大し、否定的な要因をコントロールしていくべきだ」と強調した。習主席は公開の席上でTHAAD問題を取り上げず、朴大統領の体面をある程度保ちながらも、配備に反対の姿勢を明確にした。

 韓国青瓦台(大統領府)によると、朴大統領は会談で、THAADは北朝鮮の核とミサイル脅威に対応するための自衛的な措置だとした上で、THAADレーダーによる自国内部の探知を警戒する中国を念頭に「第三国の安保利益を侵害する理由も、必要もない」と説明したという。また、相互理解を深めるための対話を続けることが重要だとも語った。

 先の米中首脳会談でTHAADをめぐるあつれきが浮き彫りになったことで、THAADの韓国配備は米国と中国の国益が直接ぶつかる事案であることがあらためて示された。朴大統領が韓中首脳会談で「韓米中による意見交換を通じ、建設的かつ包括的な議論をしていけるよう期待する」と述べたのも、そのためだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が開かれるラオスで行われる韓米首脳会談では、THAAD問題で中国を過剰に刺激しない配慮が求められる。

 韓中首脳会談の直後、北朝鮮は東海上に向けて弾道ミサイル3発を発射した。中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられ、いずれも1000キロほど飛行して日本の防空識別圏内に400キロ以上入った海上に落下したという。中国が杭州で開催した20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせ、北朝鮮が国際社会にこれみよがしに再びミサイル能力を示したのだ。このことは、THAADの韓国配備が実在する北朝鮮の脅威に対応するためであることをあらためて気づかせた。

 中国は、北朝鮮の核問題を対話と交渉で解決すべきだと主張しながらも、ことTHAAD問題に関しては自国中心主義に固執し、攻撃的な態度を見せてきた。韓中の首脳がTHAAD問題で初めて向き合っただけに、両国はこれを機にさまざまな方面で対話を続け、相互理解の幅を広げていく必要がある。

最終更新:9/6(火) 16:35

聯合ニュース