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日本など東アジアを襲う台風が強大化 米研究チームが発表

ITmedia ニュース 9月6日(火)18時1分配信

[AP通信] 北西太平洋で発生する台風や大型の熱帯低気圧が1970年代以降、勢力を大幅に強めていることが新たな研究で明らかとなった。

 アジアに上陸する台風はここ40年近くの間に全体として強度が約12%増大した。ただしこの変化が最も顕著なのは、最大風速が時速209キロメートル以上の「カテゴリー4」や「カテゴリー5」に分類される台風だという。9月5日付で科学誌「Nature Geoscience」に掲載された研究によると、1977年以降、こうした非常に強い台風の数は4倍近くに増加している。

 こうした大型で強い台風には、今年8月に岩手県に上陸し、高齢者グループホームの入居者9人を含む少なくとも17人の死者を出した台風10号(Lionrock)や、2013年にフィリピンに上陸し、6000人以上の死者を出した過去最大級の台風の1つ、Haiyanなどがある。

 この研究の主執筆者であるノースカロライナ大学の気候科学者ウェイ・メイ氏は、こうした台風強度の増大を、沿岸の海面水温の上昇と関連付けている。海面水温の上昇によって、より多くのエネルギーが台風に供給されるのだという。アジア沿岸部では1970年代後半以降、海面水温の平均が摂氏0.8度(華氏1.4度)近く上昇している。メイ氏は海面水温上昇の原因については調査していない。だが海面水温の上昇はおそらく、各地域の気候変動と化石燃料の燃焼による温暖化が組み合わさった結果と考えられるという。

 メイ氏と外部の2人の科学者は、台風強度の増大が人為的な気候変動によるものと断定するのは時期尚早だと述べている。

 だがメイ氏によれば、今後、地球温暖化が進む中、特に中国東部や台湾、韓国、日本などが位置する北緯20度以北では、大型台風がさらに強度を増す可能性があるという。

 コロラド州立大学のハリケーン研究者フィル・クロッツバッハ氏はこの研究について、「納得できる内容であり、興味深い問題を提起する」と述べる一方で、1987年以前の一部の台風については風速が実際より小さく観測された可能性があると指摘。これに対し、メイ氏は、当時は観測用航空機を飛ばして台風の強度を測定していたので、実際にはより正確に風速を観測できていたのでは、との見方を示している。

 メイ氏は、世界のその他の地域の熱帯低気圧の強度については研究していない。
(日本語翻訳 ITmedia ニュース)
(C) AP通信

最終更新:9月6日(火)18時1分

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