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倉敷の老舗蒲鉾店、コーヒースタンドに 三男が新業態で家族の意志つなぐ /岡山

みんなの経済新聞ネットワーク 9月6日(火)16時8分配信

 倉敷・美観地区に9月1日、テークアウト専門コーヒー店「YAMAU coffee stand(ヤマウ・コーヒースタンド)」(倉敷市本町)がオープンした。(倉敷経済新聞)

店主手作りの看板と店舗の外観

 オーストラリアに2年間滞在し昨年末帰国した岡本聞太さんが出店。コーヒー文化が深く根付いたオーストラリアのコーヒースタンド形式を取り入れる。店舗面積は約10坪。店舗は江戸時代に建築された町家を改装し、店内には岡本さん手作りのイートイン用ベンチを備える。ドリンクのみを提供するため、フードの持ち込みを受け入れる。

 主なメニューは、「エスプレッソ」(300円)、「アメリカーノ」「ティーソーダ」(以上380円)、「ラテ」(430円)、「キャラメル・ラテ」(480円)、「バニラシェイク」(500円)、「エスプレッソシェイク」(550円)など。コーヒー豆は、「31coffee(サイコーヒー)」(玉野市)が焙煎(ばいせん)したものを使う。「焙煎は中いりより若干浅めで苦味を抑えている。『アメリカーノ』はダブルショットのエスプレッソをベースにしているのでオーストラリアで言う『ロングブラック』に相当する」と聞太さん。

 同所では昨年5月まで聞太さんの父・幸雄さんが「ヤマウ蒲鉾(かまぼこ)店」を経営していたが、交通事故に巻き込まれた時のけがにより製造が思うようにできなくなったため廃業していた。幸雄さんは「明治45(1912)年創業で自分が3代目だった。不本意な形で廃業したので複雑な気持ちだが、業態は変わっても三男が続けてくれることはうれしい」と話す。

 聞太さんは、地元の飲食店で7年経験を積んだ後、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在していたため、廃業の決断を現地で知った。「家族でお店をやっていたので、物心ついたころから美観地区で遊んでいた。近隣の店の人たちに育てていただいたという思いもあり、さまざまな思い出が詰まったこの場所を何とか残したかった」と話す。店名は屋号の「ヤマウ」をローマ字に変換して引き継ぎ、「蒲鉾」と書かれた元の店の看板も残した。

 渡豪前は全くコーヒーを飲まなかったという聞太さん。「オーストラリアはカフェばかりなので、試しに飲んでみたら浅いりで飲みやすくおいしさに気付いた」という。「これまで美観地区になかった『コーヒースタンド』という形式を根付かせたい。新しい文化をつくることで周辺地域の活性化に貢献できれば」と意欲を見せる。

 営業時間は9時~18時(金曜・土曜は21時まで)。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:9月6日(火)16時8分

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