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【インタビュー】鹿乃、切なくて儚い歌詞と激しいサウンドのケミストリー「nameless」

BARKS 9/6(火) 17:08配信

これまで同人活動以外行ってこなかった鹿乃のメジャーデビューは誰もが望んだこと。そんな多くのファンたちの声を受け、2015年、鹿乃はテレビアニメ『放課後のプレアデス』のオープニングテーマ「Stella-rium」で、待望のメジャーデビューを果たした。2016年の5月には待望の1stアルバム『nowhere』もリリースし、ますます期待が高まっている鹿乃。そんな彼女から、アルバム後初のシングルが届けられた。

■すごい可愛い声と可愛い曲調なのに
■歌詞が毒々しいっていうものとかに惹かれるんです

──9月7日リリースのニューシングルは、テレビアニメ『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』のエンディングテーマでもあるわけだけど、今作を作る上で、鹿乃ちゃんがイメージしたものって?

鹿乃:爽やかというか、可愛い路線なイメージを抱かれていた自分自身の楽曲や歌のイメージを、アルバムで一旦区切りを付けようと思ったんです。もっと、人間のネガティブな部分や暗い部分を歌で表現していけたらなと思っていたところに、今回のこのエンディングのお話をいただいたので、とてもいいタイミングだったなと思っています。今回は、エンディングテーマである表題曲の「nameless」もカップリングの「RERE」も、Tom-H@ckさんにお願いして作っていただいた楽曲なんですが、人間のネガティブな部分や暗い部分を表現する歌詞が似合うような、激しめな楽曲を作って欲しいというリクエストを出させていただきました。

──アルバムの中にもちょっとその“ブラック鹿乃”要素が出てた楽曲はあったけどね。

鹿乃:あ、はい(笑)。ちょっと出ちゃってたとこもありましたね(笑)。もともと自分が、明るい綺麗なだけの曲より、ちょっと毒っけのある曲の方が好きだったっていうのも個人的な趣味としてあったので。すごい可愛い声と可愛い曲調なのに、歌詞がすごく毒々しいっていうものとかに、すごく惹かれるんです。なので、自分でもそういう歌が歌っていけたらいいなと思ったんです。

──なるほど。今回作曲を手掛けてくれているTom-H@ckといえば、T.M.RevolutionやLiSAの作曲や編曲も手掛けている作家さんでもあるよね。鹿乃ちゃんは一緒にやるのは初めて?

鹿乃:はい。初めてご一緒させていただきました。アニメを見ていたりして、“この曲いいなぁ”って思う曲が、だいたいTom-H@ckの曲だったっていうことが多くて、個人的にすごくTom-H@ckさんの楽曲ファンだったんです。それもあって、今回、自分の中にすごくイメージする楽曲というものがあったので、ダメ元でマネージャーさんにお願いしてみてもらったんです。そしたら、とても快く引き受けてくださって。レコーディングにも立ち合っていただいて、直接アドバイスしてもらったりしました。歌声を実際に聴いていただいて、アレンジを変えていただいたりもしたんです。「nameless」も「RERE」も方向性は同じなんですが、歪んでいる感じのロックであるか、バラードではないけど、自分らしさを出した電子音を入れたダークな楽曲かっていう、それぞれの個性がしっかり活かせた2曲になったと思っています。

──「nameless」はピアノロック的なイメージだよね。間奏のギターソロ明けで、アンプラグドになる雰囲気とか、鹿乃ちゃんらしさもすごく出てるなと思ったよ。

鹿乃:レコーディングのときは、もうちょっと無骨なロックだったんですけど、アレンジでストリングスが入って壮大な印象になりました。ギターソロ、カッコイイですよね! 聴いた瞬間に“カッコイイ!”と思って、すごくテンションが上がりました。激しいの大好きなんで。

──本当に激しい曲調好きなんだね(笑)。鹿乃ちゃん、ルーツは、シンバルズとか相対性理論とかヘーゼル・ナッツ・チョコレートって言ってたよね?

鹿乃:はい! あと、THE BACK HORNさんも大好きです。重めの歌詞、重めのギターが大好きなんです。

──あぁ、解るわぁ。私もTHE BACK HORNは大好きだけど、まさに、鹿乃ちゃんが目指す方向性の世界観を描いているバンドでもあるもんね。すごく納得。なんでそういう世界観に惹かれるようになったんだろうね、鹿乃ちゃん。

鹿乃:なんでしょうね(笑)? 捻くれてたのかなぁ? それか、ちょっと中2病をこじらせたんだと思います(笑)。みんなが聴いてないもの、良いって言っている逆のものばっかりに目がいってたというか。

──なるほどね、こじらせたかぁ。

鹿乃:はい、こじらせたんだと思います(笑)。こじらせたまま大人になっちゃいました。『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』の主人公も捻くれ屋だし、随分こじらせているので、そのあたりはすごく共感出来ました。現在進行形でこじらせてる方には、たまらないストーリーだと思います。

■きっと私も自分が死んでしまうときは
■残されたみんなの幸せを願いながら死んでいくんだろうな

──歌詞は2曲とも鹿乃ちゃんだけど、「nameless」は、『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』をイメージして書かれたものだったの?

鹿乃:アニメの最終話まではいただいていなかったんですけど、台本を読んだのと、このタイアップのお話をいただいたときに小説を買って読んで、記憶に深く残ったところを、こんなエンディングで魅せていけたらいいなって妄想しながら、ネタバレしないように気をつけながら歌詞にしていきました。

──鹿乃ちゃんが印象的に思ったシーンというのは?

鹿乃:みんな自分の家柄だったりにとらわれて、自分の意志だけでは動けなくなっているところなどが、現代の社会と通じるところでもあるって思ったというか。とても興味深かったです。あと、私的に、この物語はどう転んでも先にハッピーエンドが見えなかったので、どんなにバットエンドに向かっていこうとも、人って最後には幸せになりたいって思うはずだから、幸せな未来を感じさせられるようなラストにしたいと、歌詞だけはそこをすごく意識しました。戦争を題材にしていてそこには必ず人々の死というものが伴ってくるものだと思うので、きっと私も自分が死んでしまうときは、残されたみんなの幸せを願いながら死んでいくんだろうなって。

──なるほどね。2曲目の「RERE」なんて、鹿乃ちゃんの声じゃなくデス系のボーカルが乗ってたら、バリバリのヘヴィロックだもんね。

鹿乃:カッコイイですよね! 個人的に、「RERE」の楽曲がすごく好みなんです。

──解る解る(笑)。イントロもすごく印象的だね。残響音的な音と鹿乃ちゃんのラジオボイス的な声がすごくオドロドロしいというか。

鹿乃:そうですね。Tom-H@ckさんがアレンジの段階で煮詰めてくださったんです。すごく攻めた印象なので、インパクトがあると思います。

──「RERE」の歌詞にはどんな想いを込めたの?

鹿乃:最初、なかなか歌詞が浮かんでこなかったので、夜、喫茶店に入って、外をずっと見ていたんです。そしたら、すごく遅い時間なのにずっと会社の電気が付いていて。あぁ、こんな時間まで会社で仕事してる人たちがいるんだなと思ったら、そういう人たちの歌詞を書きたくなったんです。ちょっと言葉が悪いんですけど、これは、社畜の歌なんです。

──あはははは(爆笑)! 鹿乃ちゃん面白過ぎる! こんなに可愛くて、おとなしいイメージの鹿乃ちゃんから、“社畜”っていう言葉が発せられるとは(笑)。

鹿乃:あ、すいません、本当に(笑)。

──ドロドロしているねぇ(笑)。すごくいいと思う。どんどんこういう歌詞を書いていくべきだと思うよ、鹿乃ちゃん!

鹿乃:頑張ります! でも、社畜をテーマにしたら、スラスラ一気に書けちゃったんです。やっぱり、アニメのタイアップの付いた表題曲のカップリング曲ってこともあったので、そこまで大きくテーマがズレない方がいいなと思ったのもあって、結構悩んじゃいました。なので、“毒林檎”というファンタジーに映ってくれるであろう揶揄を入れていったというか。“ボーナス欲しいなら働けよ”みたいな、毒の林檎をイメージして書いたんです(笑)。

──なるほどね。完全にファンタジーに寄せて現実逃避させる歌詞もありだと思うけど、やっぱり聴き手が自分の人生と重ねて大きく頷ける歌詞って、すごく共感してもらえると思うからね。

鹿乃:そうなんですよね。人生って、何かしら我慢しなくちゃいけないのが現実だと思うので、そういう部分を歌詞にしていけたらなと思っています。

──今回、アーティスト盤には、記念すべき1stライヴ<ばんび~の>のライヴ音源も収録されているんだよね。

鹿乃:はい。「プリマステラ」「今をかける少女」「ディアブレイブ」「Stella-rium」の4曲が収録されているんですけど、ライヴの流れそのままで収録されているんです。なので、最初の「プリマステラ」なんて、今、自分で聴いても、ドキドキするくらい緊張感が伝わってきます(笑)。このときにしかない時間が詰め込まれた音源でもあると思うので、ぜひ聴いてみてください。

──この初々しさは、このときしかない貴重なものだったりするからね。ライヴをやってみて、見えてきたものってあった?

鹿乃:ライヴでは、みんなで一緒に歌えるような歌も歌っていきたいなって思いました。みんなで合いの手を入れる楽曲とかでは、ファンのみなさんがすごく盛り上がってくださっていたので、みなさんに楽しんでもらえるような楽曲を、これからも増やしていけたらいいなと思っています。

──今回のジャケットは?

鹿乃:今回は、アニメの私服に合せた感じの衣装になっていて、アーティストイラストを王女様をイメージして描いていただきました。王女様のイラストはちょっと刺激が強過ぎたみたいで、“鹿乃ちゃん、足閉じて……”っていう意見もあったりして(笑)。ちょっと攻め過ぎちゃいましたね(笑)。

──じゃぁ、最後に、最近の“こじらせ”事件を聞いてもいい?

鹿乃:あります!

──即答(笑)!? 何をこじらせたの?

鹿乃:最近、『君の名は。』を観に行ったんですけど、平日に観に行ったにも関わらずすごい人で。そして、周りが大学生のカップルだらけで。映画そのもののストーリーにも号泣したんですけど、周りのカップル同士のイチャイチャ具合にも泣けたっていう……。映画を見ている間、ずっとイチャイチャしているんですよ。気になって気になって、映画に集中出来なかったっていう……。最近の大学生のカップルってのは、こんな感じなのか!? って、すごく心をこじらせて帰って来たんです。それが最近のこじらせ事件ですね(笑)。みなさんも、どうか気をつけてくださいね。

取材・文●武市尚子

「nameless」
<アーティスト盤> CD+DVD (2枚組)
品番:1000619715 POS:4548967288421 価格:¥2,200+税
1. nameless
TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」エンディングテーマ
2. RERE
3. nameless -instrumental-
4. RERE -instrumental-
5. プリマステラ(from ファーストライブ「ばんび~の」)
6. 今をかける少女(from ファーストライブ「ばんび~の」)
7. ディアブレイブ(from ファーストライブ「ばんび~の」)
8. Stella-rium(from ファーストライブ「ばんび~の」)
DVD収録映像:
「nameless」 Music Video 「RERE」 Music Video
<アニメ盤> CD+DVD (2枚組)
品番:1000619716 POS:4548967288438 価格:¥1,600+税
1. nameless
TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」エンディングテーマ
2. nameless -TV size-
3. nameless -ヒゲドライバーRemix-
4. nameless -instrumental- DVD収録映像:
TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」ノンテロップエンディング
<通常盤> CD (1枚組)
品番:1000619768 POS:4548967288445 価格:¥1,200+税
1. nameless
TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」エンディングテーマ
2. RERE
3. nameless -instrumental-
4. RERE -instrumental-

ライブ・イベント情報
<イベント>
9月7日(水)
●会場:SHIBUYA TSUTAYA 2Fイベントスペース
9月10日(土)
●会場:とらのあな池袋店B 8F イベントスペース
●会場:アニメイト渋谷
9月17日(土)
●会場:アニメイト大阪日本橋 5Fイベントホール
●会場:第3太閤ビル(名古屋)

最終更新:9/6(火) 17:08

BARKS