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シュガーフィールズ、君は知っているだろうか。「うたモノ」の発祥となったミュージシャンの今昔物語。

BARKS 9月6日(火)17時30分配信

君は知っているだろうか。「うたモノ」という言葉の始まりである人物を。

1995年、J-オルタナの聖地・ライブハウス『難波ベアーズ』で、ボアダムスなどインスト中心であった当時のシーンの中で「オルタナ以降のシンガーソングライター」が登場した。彼は、パラダイスガラージらと共に「うたモノ」と呼ばれるようになり、その代表的存在となった。

彼は自宅録音でカセットテープ作品を販売。インディーズ時代から“音楽で食って”いた。ポップなメロディーラインに乗せたトランス感のある日本語詞を歌う不可思議な歌声、ダンスグルーヴを融合させた独特なサウンド。カセットテープシリーズが好評となり、1997年、ポニーキャニオンから『宅録キング』としてメジャーデビュー。同時に、バンド録音も出来る自宅レコーディングスタジオを創設。自らインディーズレーベルも立ち上げた。また同時期、京都から上京した3人の若者たちのサウンドプロデューサーとして一晩で楽曲を完成させた。くるりの代表作、『東京』である。ラストの「パーッパー」というコーラスも彼のアイディアだ。ボーカリスト岸田 繁が、同レーベルのアンアーバーの曲を彼から聴かされた直後に一気に書き上げ、岸田曰く「初めて素直な気持ちが書けた」曲である。

その“彼”とは―――。

来年、創設20周年を迎える老舗インディーズレーベル・カフェオレーベルのオーナーであり、数多くの新人アーティストのプロデュースを手掛け、自身のソロユニット・シュガーフィールズの全作品の作詞・作曲・編曲を行う、原朋信である。

中学二年から自宅録音を始め、宅録暦は34年。長年の経験により培われた独自の録音エンジニアリング技術とスタジオ環境を、レーベル内外問わずあらゆるミュージシャンに惜しみなく提供し続けている。

そんな彼が率いるカフェオレーベルは、創業以来、王道の「うたモノ」から、サブカル&オルタナ界隈で話題となったチコピドやプラモミリオンセラーズ、インストバンドの隙間三業や白石尚悟など、「ひとクセあるからこそ、色褪せない」ミュージシャンたちの音楽を発信している。

1998年、原の元にデモテープを送り、翌年2月にカフェオレーベルよりデビューを果たしたのが、現在も活躍中のスネオヘアーだ。2008年、同郷の難波章浩(Hi-STANDARD)と意気投合し、フジテレビ系新潟総合テレビでインディーズ音楽番組を制作&出演。My Space Japanのトップニュースに「MySpaceに現れた超新星」と評されたthe sworn groupは、2011年にカフェオレーベルから1stアルバムを発売。最近では、ボカロPとして圧倒的な人気を誇る古川本舗の全てのリリース作品のサウンドエンジニアを担当。V6やEvery Little Thingへの楽曲提供が話題となったケミカルボリュームのサウンドプロデュースも原が手掛けている。

今年8月には、同レーベルが運営するライブハウス『カフェオ猫と15の椅子』もオープン。小規模スペースながら大ホール並みの高音質を体感でき、常時マルチトラックで本格的なレコーディングも可能な「世界一小さなコンサートホール」としてスタジオ2階に誕生した。

同時に楽曲制作の鬼才ぶりも健在で、今年7月にはシュガーフィールズ約12年ぶりのオリジナルアルバム『NORITO』を配信限定でリリース。本作は全ての歌詞が祝詞(のりと)で構成されており、ヒップホップ,R&B,テクノやダンスミュージックも包括したサウンドとの融合により、youtubeやiTunesでの反響は全世界に及んでいる。

さらに、彼のプロデュースによるアーティストのデビュー作品も、続々リリースされることが明らかになった。8月3日、アルバム『preserved flowers』で全国デビューを果たした北川修幹。9月中頃には、ソロプロジェクトlittro rettleとしても人気を集めるボーカリストandeとコンポーザー川島章裕によるユニット・End&がデビューアルバムをリリース予定。そして、楽曲アレンジをケミカルボリュームが担当する荒木あゆなのデビューも決まっている。

そんなカフェオレーベルが、10月22日(土)に約8年ぶりとなるレーベルイベント・『月見ル カフェオモウvol.1』を青山 月見ル君想フにて開催することも発表された。

原がかつてから理想としてきたモータウン式のライブを実現させるべく、今回のイベントではほとんどのアーティストのドラム、ベース、ギターがバックバンドとして固定される。そのずば抜けた技術とリズム感を原に絶賛されたドラマー・大浦ともぞう、ベース教室の講師・ラジオのパーソナリティーとしても活躍しているベーシスト・Hato“Poppo”Prestia、同レーベルからアルバムをリリースし、原に“日本のマイク・オールドフィールド”と称されたギタリスト・白石尚悟をバックバンドに迎え、THE SUGAR FIELDS、人間味あふれるシンガーソングライター・中嶋定治、カフェオレーベルのネットラジオ『さちらじ』のパーソナリティーでもあるsacci、前述の北川修幹、End&、荒木あゆな、プログレインストバンド・隙間三業が出演する。

「中学生の頃から仲間と一緒に宅録をしてた。やってることは変わらないんですよ、あの頃と」と、原は笑った。1997年の創設以来、一貫して「ひとクセあるからこそ、色褪せない」音楽を生み出し続ける原と、カフェオレーベルの“今”を体感してほしい。

最終更新:9月6日(火)17時47分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。