ここから本文です

久慈秋まつり 無念の中止 台風10号被害甚大で 山車組「仕方ない」

デーリー東北新聞社 9月6日(火)11時36分配信

 台風10号で久慈市中心街が大規模な浸水被害に見舞われたことを受け、岩手県北地方最大の祭り「久慈秋まつり」(15~18日)が中止を余儀なくされることになった。山車やみこしが練り歩く中心街では復旧作業が進むものの、被害が甚大で、祭事は時期尚早と判断した。山車組関係者は「残念だ」「仕方がない」と無念さを隠し切れない様子。それでも早期の復興、来年の再開に向け前を向いた。

 久慈秋まつりは640年の歴史と伝統を誇り、多くの地元住民と観光客でにぎわう。かつてない台風被害は、地域に根付いた一大イベントも断念に追い込んだ。

 5日夜に実行委員会(会長・山本えり子市観光物産協会会長)が市内で臨時集会を開き、全会一致で決めた。正式な記録は残ってないが、戦後では昭和30年代に中止になったことがある。

 非公開の臨時集会には、山車、みこし組の関係者ら約40人が出席。各組から意見を聞いたところ、中止の声が多かったという。

 「子どもからお年寄りまで楽しみにしている祭りで、本年度の中止は本当に残念」。山本会長は苦渋の判断だったことを明かした上で、「来年は例年よりも盛大に開催したい」と力を込めた。

 同市本町3丁目にある巽町組の山車小屋では、関係者が集まり、実行委が出す結論を待っていた。

 山車小屋も浸水被害を受け、完成間近だった山車は70センチほど水に漬かった。

 「もしも開催が決まれば、出られるような態勢を取ってきたが、中心街の被害が大きいので仕方がない結果だ」。組頭の神田康弘さん(48)は唇をかんだ。

 山車制作責任者の外舘正人さん(41)も「とにかく残念。楽しみにしていた子どもたちもかわいそう。山車の仕上がりも良く、多くの人に見てもらいたかった」。悔しさをにじませつつ、奮い立たせるように「来年に向け、またやり直したい」と語った。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月6日(火)11時44分

デーリー東北新聞社