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福井と滋賀、原子力の考えに違いも 西川一誠、三日月大造知事が会談

福井新聞ONLINE 9/6(火) 8:09配信

 福井県の西川一誠知事と滋賀県の三日月大造知事が5日、福井県若狭町内のホテルで懇談した。原発事故時の30キロ圏内の広域避難を含めた原子力防災や、海外クルーズ客船向けツアーづくりなどの広域観光の面で連携して取り組んでいくことで合意した。今後は年1回、懇談会を開くことも確認した。

 両県知事の会談は2011年5月以来5年ぶりで、三日月知事とは初めて。

 原子力防災は、滋賀県の高島市や長浜市の一部地域が福井県の原発から30キロ圏内に入るほか、福井県住民が県外避難する際には滋賀県内の北陸自動車道や国道も使うため、広域避難の対策が重要となっている。

 三日月知事は「非常に進んでいる福井県の原発防災を職員が学ばせてもらっている。連携体制をさらに深め、顔が見える関係づくりをさせてもらいたい」と提案。西川知事は「大飯原発や美浜原発などの(事故時の)広域避難計画を、十分連携を取って策定していく必要がある」と述べ、継続的に訓練を行っていくことも重要とした。

 ただ、原子力政策について三日月知事は「原発が老朽化する中、廃炉の時期を見据え、原発に依存しない新しいエネルギー社会を構築していく必要がある」と強調。西川知事は「国民の原子力に対する理解がなお少ない。温暖化対策なども深く関わる」と述べ、考え方に違いが見えた。

 広域観光では、来年秋に海外の大型クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」が敦賀港に寄港するのを受け、両県を巡る周遊観光ルートを共同で船会社に提案していくことで一致。歴史的な街道のつながりがある上に、江戸期の俳人松尾芭蕉の句碑、旧北陸本線の鉄道遺産などの共通の文化財が数多く点在するため、広域の観光誘客に活用することを確認した。

 このほか北陸・中京圏のアクセス向上のため、特急しらさぎの高速化などを連携してJRや国に要請する。

 北陸新幹線の敦賀以西ルートについては「国が決定する事項」(県担当者)として議題に上げなかった。

 米原ルート案を主張する三日月知事は、終了後の記者会見で「国の計画では小浜付近を通ると書かれてあり、福井県に期待が多いのは承知している。いずれにせよ、北陸と中京圏を高速鉄道でいかに結ぶかという課題は両県ともに認識し、力を合わせていくことが必要」と述べるにとどめた。

福井新聞社

最終更新:9/6(火) 8:24

福井新聞ONLINE