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群馬大が自動運転向け高速三次元計測技術 “光” 使い1000分の1秒レベルで物体・距離測定

日刊工業新聞電子版 9/6(火) 14:53配信

1秒間に1000回超撮影、光投影パターンから距離計測

 群馬大学大学院理工学府の奥寛雅准教授らは、照らすだけで3次元形状を1秒当たり1000回以上測定できる技術を開発した。特殊な照明で照らしながら、高速カメラで撮影して立体形状を測る。計算負荷が小さく市販のパソコンで運用できる。走行中の自動車が飛び出してきた物体を把握して対応するなど、瞬時の判断が必要な自動運転技術などの用途に提案する。2年以内の実用化を目指す。

■画像処理から光学処理へ
 開発したのは、投影方向に3次元パターンを作る「構造化ライトフィールド照明」という光学技術。手前は縦じま、奥は横じまなど、距離によって投影パターンが変わる仕組み。投影パターンから距離を計測できるため、ステレオカメラのように画像処理で計測する手法に比べ、大幅に計算量を減らせる。車載機器など計算能力が限られる用途に向く。

 計測範囲は、奥行き方向が1メートルの時に計測精度が約3センチメートルだった。照明の投影角度は約20度。原理的には約5メートルの範囲が計測可能。実際に1000分の3秒で風船が破裂する様子をリアルタイムに立体計測できた。

■計算負荷小さく、瞬時の判断をより早く
 照明の3次元パターンは、プロジェクターを2台使って作製した。縦じまの投影光は焦点を手前に設定し、横じまの投影光は奥に設定する。この2種類の光を重ね合わせると、手前では横じま、奥では縦じまの光を投影できる。しま模様パターンとぼやけ方から距離を推計する。実用化に向けて2台の光源を一体化させ、赤外光計測にも対応させる。

 一般に時速60キロメートルで走行する自動車は1秒で約17メートル進む。飛び込んできた物体の形や移動方向を把握するには、瞬時に何回も測る必要がある。1000分の1秒で計測できれば、100分の1秒で約17センチメートルしか進まずに飛来する対象を10回測定できる。

最終更新:9/6(火) 14:53

日刊工業新聞電子版