ここから本文です

国道寸断、日高・千栄地区孤立化 頼りは林道のみ 台風10号被害

北海道新聞 9月6日(火)7時10分配信

千呂露橋が崩落、岩瀬橋なども損壊

 【日高】台風10号による大雨で、日勝峠(日高管内日高町、十勝管内清水町)の麓に位置する日高町日高地区千栄(ちさか)では、千呂露(ちろろ)橋の崩落などで国道274号が寸断され、24世帯51人が孤立化した地域で暮らしたり、地域外で避難生活を送ったりしている。「いつまで不便な暮らしが続くのか」。日高地区中心部に避難した住民は途方に暮れていた。

大量の流木や土砂で作業難航 不明者捜索続く 清水

 「家と違って落ち着かないので、あまり眠れない日があります。頭が重いんです」。日高町が避難所に開放した、日高地区にある閉鎖した高齢者施設「くるみ荘」に避難している千栄の主婦山中キミさん(79)は疲れた表情で語った。

 千栄では8月30日夜から猛烈な雨が降り、国道沿いに住宅がある84世帯139人のうち最大で45世帯75人が避難。その後、千栄の中心部にある千呂露橋が崩落。日勝峠側の岩瀬橋なども損壊して通行止めとなったため、千呂露橋より東側の24世帯51人は、橋を迂回(うかい)する未舗装の険しい林道が外部とつながる唯一のルートとなった。

 日高町日高地区中心部から千栄まで国道なら車で10分程度だが、林道を使うと片道40分~1時間ほどかかる。重機などは入れず、千呂露橋の東側の復旧はまったく手付かずだ。

知人から服を借りて過ごす 食事は避難者が協力

 5日現在、千呂露橋の東側地域でそのまま暮らすのは14世帯31人。一帯は断水が続き、住民は井戸水や、町が林道を使って運んだ飲用水を利用している。残る10世帯20人は、日高地区のくるみ荘(4世帯7人)や集会所の「若葉会館」(1世帯5人)に避難しているほか、町内外の知人を頼って避難しているとみられる。

 若葉会館で、家族5人で避難生活を続ける主婦本間由佳さん(36)は、30日午後9時半ごろに自家用車で避難した。「避難時は子どもたちが怖がっていました。避難生活がこんなに長くなるとは」と嘆く。1日分の着替えしか持ってこなかったため、知人から服を借りて過ごしているという。

 本間さんは「自分たちは買い物や温泉に行くことができるが、避難せず残っている人たちの方が心配」と訴える。くるみ荘では4世帯7人の避難者が協力して日々の食事の調理などを行っている。当面は町が食材を提供するほか、衣類などは知人からもらうなどしてやりくりしているという。

 室蘭開建は崩落した千呂露橋について、仮の橋を架ける準備中。室蘭開建日高道路事務所は「作業は天候に左右される可能性もあるが、なるべく早く復旧させたい」と話している。(静内支局 舘山彩佳)

北海道新聞

最終更新:9月6日(火)7時10分

北海道新聞