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渡辺和子さん「教育基金」9月中にも設立 父の名前冠し高校生に奨学金

山陽新聞デジタル 9月6日(火)9時0分配信

 ノートルダム清心学園(岡山市)理事長の渡辺和子さん(89)が父親の名前を冠した「渡辺錠太郎記念教育基金」を今月中にも設立する。岡山県内の高校生を対象にした奨学金給付と高校図書館への書籍寄贈が目的で、ベストセラーとなった「置かれた場所で咲きなさい」など著書の収益1億円を充てる。

 奨学金は毎年10人程度に対して月2万円の支給を想定しており、学校推薦を基に成績や家計などを審査する。書籍は年間10校程度にそれぞれ10万円分を寄贈する見込み。運用は信託銀行に委託し、本年度中に奨学生らの選考を始める予定という。

 基金の名前となった錠太郎氏は、家が貧しかったため小学校時代に満足に学べず、好きな本を買うこともできなかったが、独学で知識を身に付け、陸軍大学校を首席で卒業した。軍隊教育機関の最高責任者である教育総監を務めていたが、1936年の二・二六事件で凶弾に倒れた。

 事件から今年で80年の節目で、渡辺さんは「苦しい経済環境の中で勉学に励んだ父の思いを基金に託し、私を育ててくれた岡山へ恩返ししたい。子どもたちが頑張って学び、有為な人材が育つ一助になれば」と話している。

 渡辺さんは、カトリックの洗礼を受けて修道院に入り、米国留学を経て、63年に36歳の若さで岡山市のノートルダム清心女子大学長に就任した。90年から現職。

最終更新:9月6日(火)9時0分

山陽新聞デジタル