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ナダルを破った22歳プイユ「すべてのポイントが素晴らしかった」 [全米テニス]

THE TENNIS DAILY 9月6日(火)17時0分配信

 アメリカ・ニューヨークで開催されている「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス4回戦。

 第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)は、最後までこの全米オープンから静かに去るつもりがないことを見せ続けた。自分よりもずっと若く、実績も薄い相手に対してナダルは2度にわたりセットの劣勢を巻き返し、それから3本のマッチポイントを回避した。

 そして故障から復帰して以来、左手首に課してきたこの非常に厳しいテストに4時間以上入り込んだとき、ついに揺らいでしまう。ナダルはフォアハンドをネットに引っかけ、ミスをしてしまった。自分がしたことをよく知る彼は、両手で目を覆った。その1ポイント後に試合は終わったのだ。

 ナダルは第24シードのルカ・プイユ(フランス)に1-6 6-2 4-6 6-3 6-7(6)で予想外の敗北を喫し、このところグランドスラム大会で準々決勝に進むことのできていない成績を継続することになった。

「よりうまくできただろうこともあった。でも正しい姿勢は持っていたよ。僕は最後のボールまで戦った」と、14のグランドスラム・タイトルを持ち、全米で2度優勝したことがあるナダルは言った。「でも、僕には別の何かが必要だ。僕には今日なかった何かを追加する必要がある」。

 ナダルは全米の最初の3試合を、20ゲームしか落とさずに比較的楽に通り抜けた。しかし華々しいストロークを擁する22歳のプイユは、見応えのある緊張感に満ちたラリーを通して、ナダルを限界まで追い立て、元王者により厳しい挑戦を課したのだ。

「すべてのポイントが素晴らしかった」とプイユは言った。

 これはプイユにとってキャリア3度目の5セットの末の勝利だったが、そのすべてがここ全米で起きている。

 昨年の全仏オープンの準々決勝で敗れて以来、ナダルはグランドスラム大会で4回戦より上に勝ち上がることができていない。そして近年10年にわたり、毎年必ずひとつはグランドスラム大会のタイトルを獲ってきた彼が、今やもう2シーズンもタイトルなしに終わっている。

 2016年のナダルは全豪の1回戦で敗れ、全仏では左手首の故障のため3回戦を前にして棄権。その故障のせいでウィンブルドン欠場を強いられ、総じて2ヵ月半の間、プレーできなかった。

 この試合で第4セットを取り、セットカウント2-2と追いついたナダルは、第5セットの最初のプイユのサービスをブレークし、それから4-2とリードした。しかしプイユはブレークバックして4-4と追いつき、勝負を降り出しに戻したのだ。

 アーサー・アッシュ・スタジアムの歓声はすさまじかった。プイユは試合後、「ときどき自分の声さえ聞こえなかったよ。自分に向かって『アレ(行け!)、アレ、アレ』と発破をかけていたときにね」と話している。

 まもなく彼らはタイブレークに突入し、プイユが6-3とリードして、最初の3つのマッチポイントをつかむ。しかし、いつもより頻繁にネットに出ていたナダルは、まだ諦めてはいなかった。そしてフォアハンドのウィナーとプイユの2本のフォアハンドのミスのおかげでスコアはまたもタイとなり、勝負は降り出しに戻った。

「タイブレーク6-3になったときには、『これは勝つな』って思ったんだ」とプイユ。「でもそこから6-6になったところでは、心境は同じではなかった」。

 プイユは先のウィンブルドンまで、一度もグランドスラム大会で準々決勝に進出したことはなかった。しかし6-6からよろめいたのは、ナダルのほうだったのである。プイユは間違いなくボールがコート内に入るよう、やや短めのショットを打ち、守備的にプレーしていた。そのような簡単につけ込めそうなイージーボールのひとつに対し、ナダルは前進して彼のパワフルなフォアハンドを叩き込んだのだが、ショットは相手コートの代わりにネットを叩いたのである。

「(その決め球を)僕は正しい瞬間に打った。自分をウィナーを打てるポジションに置いたんだ。そして僕はそれをミスした。それだけのことだ」とナダル。「こういったことを考えて、その都度、激高しているわけにはいかないだろう?」。

 一方のプイユは、「ナダルがあれをミスするなんて信じられない。でも、彼もすべての選手たちと同じなんだ。彼もプレッシャーを感じる。ベストプレーヤーのひとりであっても、彼もプレッシャーを感じるんだ」という受け取り方をした。

 このミスでタイブレークのスコアは7-6となり、プイユは4つ目のマッチポイントを逃しはしなかった。16本のストロークを交わしたあと、プイユはフォアハンドで回り込み、ダウン・ザ・ラインにウィナーを叩き込んだ。

 プイユは仰向けに倒れ、舌を突き出していた。彼が大きく目を見開いて起き上がったとき、グランドスラムのシングルス・タイトルを獲った最後のフランス人であるヤニック・ノアは、観客席で周囲の者と後輩の勝利を祝っていた。

 プイユはより早い時間に勝利を決めていた同胞たち、第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)と第10シードのガエル・モンフィス(フランス)に合流し、ここ89年で初めて全米オープンの準々決勝に3人のフランス人が挑むことになった。

 ツォンガは第26シードのジャック・ソック(アメリカ)を6-3 6-3 6-7(7) 6-2で下して勝ち上がった。準々決勝では、カイル・エドマンド(イギリス)を6-2 6-1 6-4のストレートで下した世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

 そしてプイユは準々決勝でモンフィスと対戦することになった。モンフィスは、2006年全豪準優勝のマルコス・バグダティス(キプロス)を6-3 6-2 6-3のストレートで破って勝ち上がった。バグダティスはこの試合中に携帯電話をいじった角で審判から警告を受けたが、モンフィス本人もなかなか変わったキャラクターの持ち主だ。あるポイントの途中で、彼は靴ひもを結ぶため屈み込むふりをしておいて、突然プレーを再開したのだった。(C)AP (テニスデイリー/THE TENNIS DAILY)

最終更新:9月6日(火)17時0分

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