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習近平主席「THAAD、各国の対立深める可能性も」と警告メッセージ

ハンギョレ新聞 9/6(火) 6:23配信

平行線たどったTHAAD会談

中国牽制用VS.北朝鮮の核けん制用
習近平主席「米国のTHAAD配備」
韓中ではなく、米中関係としてとらえる
朴大統領「第3国への安保侵害はない」
条件付き配備を重ねて主張

韓中関係の回復遠のく
習主席「THAAD、地域の安定を損なう」
韓国に経済報復などを示唆
朴大統領「韓米中の疎通」提案したが
成果につながる可能性は低い

 中国の習近平・国家主席が5日、朴槿恵(パククネ)大統領の前で「THAAD反対」の声を高めた。2日前、バラク・オバマ米大統領との会談で行った「中国は米国のTHAAD配備に反対する。米国が中国の戦略的安保利益を実質的に尊重することを求める」との発言の延長線上にある。

 習主席の「THAAD反対」は今回が初めてではない。これまでと異なる点があるとしたら、韓米による在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備決定の発表(7月8日)以降、初の韓中首脳会談で「THAAD反対」を再確認したことだろう。注目すべきは、習主席が「THAAD配備」の主体として、韓国ではなく米国を挙げた事実だ。習主席は韓中、米中首脳会談で「米国のTHAAD配備に反対する」という同じ発言を繰り返した。THAAD問題を本質的には、韓中関係ではなく、米中関係、すなわち「超大国の政治」問題としてとらえているという意味だ。

 習主席のこのような認識は、ワシントン核安保首脳会議を想起させる。習主席は今年3月31日、ワシントン核安保首脳会議の際に行われたオバマ大統領との首脳会談で、「THAAD配備は中国の国家安全利益を損なうと同時に、地域の戦略的な均衡を損なう」として、明示的に反対した。習主席は、同日行われた朴大統領との会談でも、「各国が情勢の緊張を高めるようないかなる言行も慎むことを促すと共に、この地域の国家の安保利益と戦略的均衡に損害に与えてはならない」として、事実上「THAAD反対」の意思を表明した。

 さらに、習主席は6月25日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と共に発表した共同声明で「域外勢力が憶測で作り出した理由を口実に、ヨーロッパには『イージス弾道ミサイル防衛システム(Aegis BMD)』を、アジア太平洋地域にはTHAADをすでに構築または配備を計画している。これは中国、ロシアを含む域内国家の戦略安全利益を大きく損なうものである。中国とロシアはこれに強く反対する」と明らかにした。ここで「域外勢力」とは、米国を意味する。米国が、欧州ではロシアを、アジア太平洋地域では中国を牽制するため、イージス艦やTHAADミサイル防衛(MD)システムを配備しようとしているという認識だ。習主席が5日、朴大統領に「韓米」または「韓国」のTHAAD配備ではなく、「米国のTHAAD配備に反対」という表現を使ったのもそのためだ。

 見方を変えると、「THAADはもっぱら北朝鮮の核・ミサイルへの対応手段」であり、「第3国(中国)の安保利益を侵害する理由も必要もない」との朴大統領の説明には全く同意しないという意味でもある。このようなTHAADをめぐる韓中首脳の認識の差は、「THAAD問題を含むいくつかの関心事について疎通を持続していくことを期待する」という朴大統領の「期待」が成果につながることは困難であることを示唆している。朴大統領が習主席との会談で、THAAD問題と関連し、中国が受け入れる可能性がほとんどないにもかかわらず、「韓米中の疎通」を提案したのは、このような状況を考慮した苦肉の策とも言える。

 習主席はメディアに公開された会談の導入部で、朴大統領と握手しながらも全く笑顔は見せなかった。習主席は、会談が非公開に切り替わってからは、THADD問題をうまく処理できなければ、「各国の対立を深める可能性もある」と指摘した。韓国がTHAAD配備にこだわれば、米中の戦略競争や対立の「スケープゴート」になる恐れもあるという警告と言える。そうなれば、朝鮮半島の非核化に向けた国際協力を期待できなくなり、THAADをめぐる韓中の対立や北東アジア情勢の動揺に伴う韓国経済の不安要因にもつながりかねない。

 習主席は「私たち(中国)は6カ国協議のプラットフォームを支持するが、それぞれの関心事案を全面的にバンランスよく解決しなければならない」と強調した。北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射にTHAAD配備で対応せず、6カ国協議を再開して北朝鮮の「関心事」まで考慮し、「バランスよく」解決しなければならないという呼びかけだ。しかし、朴大統領は「北朝鮮の無謀な挑発に国際社会の強力かつ断固たる対応と一貫した対北朝鮮メッセージの発信」を強調した。接点が見つかるはずはない。

イ・ジェフン記者、杭州/チェ・ヘジョン記者、キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:9/6(火) 6:23

ハンギョレ新聞