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明治生まれの「通販カタログ」(御年約120歳)と、戦前生まれの「記事広告」(御年約90歳)

ネットショップ担当者フォーラム 9/7(水) 8:06配信

1900年代、呉服店だけでなく出版社、種苗業者、製茶業者などが通販を開始した。通販カタログの普及が市場の拡大をけん引し、一方で、記事広告や工夫を凝らした広告も制作されるようになり、通販は着実に浸透していった。しかし、1940年代になると第二次世界大戦下の物資統制により、通販市場は一旦終息する。

120年前に存在した幻の通販専業企業

日本初の通販専業企業は1894年(明治27年)~1895年(明治28年)ころ創業の「東京用逹合資会社」と言われている。創業者は1890年(明治23年)ころに渡米し、モンゴメリー・ワード社を始めとする米国の通信販売を学んだ。

帰国後、日本橋にオフィスを構えて通販カタログを年2回発行する通販事業を開始。取扱商品は懐中時計、眼鏡、金庫、宝飾品、漆器・陶器が中心だったようだ。

上は「堅牢無比な金庫」。「等しく金庫と言っても世間には粗造品がある、当社は改良に改良を重ね、堅牢無比の良品を格別廉価で販売します。火災はもちろん爆弾も恐れるに足りません」とある。価格は10円~400円。

下は1890年(明治23年)に発明された「紙腔琴(しこうきん)」という手回し式の小型オルガン。「本器は他の楽器と異なり練習する必要がなく、自由自在に演奏できる、文明的最新発明の音楽器です」「軍歌唱歌はもとより、地唄、長唄、清元、常磐津(三味線音楽の一種)、流行歌、その他明清楽(みんしんがく)譜に至るまで取りそろえがある。いかなる秘曲も独奏自在」とある。価格は4円~15円。

ダイヤモンドと金の指輪を紹介するページ。「指輪を注文するには指の大きさをコヨリ(編集部注:細長く切った紙をねじって作る紙紐のこと)で何寸かを申し送るべし」とある。

また注意として「金銀の性質は素人が鑑別することはできない。ずるがしこい商人は代金を高くしたり、14金を18金と偽ったりする。当店は保証付きです」ということが書いてある。価格は14円から1,500円くらいまで「種々あり」。

この事業は好調だったようで模倣する業者が登場。消費者に注意をうながす広告を掲載していた。しかし数年後、創業者が急逝すると、同社は解散してしまった。

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最終更新:9/7(水) 8:06

ネットショップ担当者フォーラム