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敵地でタイに勝利したハリルジャパン、UAE戦から明確に変化した点とは

ISM 9/7(水) 8:04配信

 敗れたUAE戦と勝利したタイ戦を比較すると、如実に変わっていた点がある。それは攻撃陣が何を意識してプレーしていたか、である。特に2試合ともスタメン出場した本田圭佑と香川真司を見れば、その違いが顕著に表れていた。

 UAE戦で彼らを中心とした攻撃陣が固執し、そしてうまくいかなかったのは中央エリアでのパスコンビネーションだ。相手守備のゾーン間に入って足元でボールを受け、そこからワンツーやショートパスの繋ぎなどを駆使してゴールに迫ろうとしたが、その狙いは選手が密集した中央での“交通渋滞”を引き起こした。

 しかも、各々がボールを受けてから次のプレーを考えるというテンポの悪さも相まって、相手に対応されやすい攻撃になっていた。サイドからクロスを入れるにしても、攻撃陣は最初からシュートエリアに陣取っていたため、相手としてはマークを捕まえやすく、ボールが入ってきたところで跳ね返せばいいだけだった。

 一方、タイ戦で攻撃陣が何度も見せたのは、DFラインの背後を狙う動きだ。UAE戦ではバイタルエリアで足元にパスを要求するばかりだった本田は、タイ戦では味方がクロスを上げそうなタイミングになると、裏に抜けるフリーランニングを繰り返した。同じくUAE戦ではDFラインの前でボールを受けようとする姿勢が目立った香川も、前線3枚に比べれば回数は少なかったものの1.5列目からの飛び出しを意識する動きを見せた。

 また、代表では久しぶりに左サイドでスタメン起用された原口元気も裏に抜けてフィニッシュに絡もうとするモーションを繰り返していた。元々、背後への飛び出しを特徴とする浅野拓磨も隙を見て相手DFの背中を取ろうとしていた。

 つまり、フィニッシュワークに絡むべき選手たちが裏を取ろうとする動きをしていたのだ。それはUAE戦とはまったく異なる風景で、明らかに意思統一されたものを感じる仕掛けだった。原口に監督から厳しく指示されたのではないかと確認すると「死ぬほど言われました」と苦笑い。「裏を取れるんだったら一番は裏だったので、優先順位としてはそこが一番」とこの日の意図を説明した。

 結果として、ハリルホジッチ監督の求めた動きは、攻撃の迫力を生み出すのに効果的だった。特にサイドからクロスが上がる際、逆サイドのウィングがゴール前に飛び込むパターンは相手の脅威となっていた。実際、前半19分の先制点も、右クロスに合わせようとした本田の背後に逆サイドの原口が入り込んでヘッドで決めたものだ。

 原口も「逆サイドの入りはすごく意識していたので、宏樹から良いボールがきて、うまく相手を外せたのでよかったと思います。圭佑くんも入っていて、その裏だったんですけど、誰かの裏はすごくチャンスになるなと思っていました」と振り返っている。

 日本代表の選手たちは、流麗なコンビネーションで相手をキレイに崩すサッカーをしたがる傾向にある。それはザックジャパンの時から見られるものだ。しかし、UAE戦で手痛い黒星を喫した影響もあり、今回は“自分たちがやりたい”ことよりも“相手が対処しにくい”プレーを優先した。

 裏を狙う味方の動き出しに合わせてボールを入れると、相手DFはゴールに戻りながら守らなければならず、その分だけ対処が難しくなる。ファーサイドの味方選手が斜めの動き出しでクロスに合わせようとすると、相手DFはボールと敵を同一視野に入れるのが難しくなる。そして、ファーサイドで折り返すと、相手はボールウォッチャーにもなりやすい。裏を狙い続ける攻撃はシンプルだが、生半可なパスサッカーよりは相手にとって守りにくい。

 何よりも勝利が求められたアウェーのタイ戦で、望み通りの結果を残した。数多くの決定機を作りながらもなかなか追加点が奪えなかったこと、あわや同点に追いつかれそうになったこと、終盤に守備がバタついたことなど課題も出たが、泥臭く勝利を追求した姿勢は来月の試合にも繋げていきたい。(神谷 正明)

最終更新:9/7(水) 8:05

ISM

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