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稽古総見また欠席 貴乃花理事“職務放棄”と奇行の裏の本心

日刊ゲンダイDIGITAL 9月7日(水)9時26分配信

 相撲協会の貴乃花理事(44)が公式行事をばっくれた。

 去る2日に行われた横綱審議委員会の稽古総見。他の理事9人は全員出席する中、貴乃花理事だけが姿を現さなかった。しかも弟子の貴ノ岩も来ずじまい。一般非公開の稽古総見は「幕下は15枚目まで、十両と幕内は8枚目まで」参加する義務がある。9月場所での貴ノ岩は前頭3枚目。当然、出席義務があったにもかかわらず、親方ともども知らんぷりだ。

 貴乃花理事が職務を投げ出したのは、4月の「反社会的勢力排除に伴う講習会」、5月場所前の稽古総見に続き、今年公になっただけで3度目になる。3月には理事長選に挑むも、10票中3票しか集められず大敗。その後は「理事に与えられた仕事をまっとうします」と言いながら、むしろサボタージュするケースが目立つのだ。ある親方は「理事長選で負けたものだから、ふてくされているんじゃないか。嫌々だけど巡業部長の仕事だけします、という態度にしか見えない」と話す。

 7、8月の夏巡業では「奇行」も目立った。真夏だというのにマフラーを巻いたり、黒装束に黒いベレー帽をかぶって場内を闊歩。「また変な宗教にかぶれたんじゃないか?」と、いぶかる声も少なくなかった。

「また」と言われるのも無理はない。貴乃花理事は以前から宗教やそれに近いものに凝るケースが多かった。現役時代は「整体師に洗脳された」とウワサされ、その後、兄の元若乃花(元横綱)と断絶。現在、貴乃花部屋が大阪場所の宿舎にしているのは、京都にある新興宗教団体の建物だ。貴乃花理事はこの宗教団体が出した本に推薦文を寄せ、毎年節分の豆まきにも参加している。

■裏金顧問の暗躍

 すっかり浮世離れしている貴乃花理事だが、しかし、周囲の動きを見る限り野望を捨てたわけじゃない。野望とは背水の陣で狙ったはずの、理事長の座を手に入れることだ。

 もっか貴乃花理事の周囲では、再びこの親方を担ごうという動きが活発化している。そのひとつが、亡き千代の富士の後を継いだ九重親方(元大関千代大海=40)の籠絡だ。

 理事復帰を果たせないまま、7月31日に無念の最期を遂げた千代の富士。そもそも理事から引きずり降ろしたのは、貴乃花理事を担いでいた裏金顧問だ。千代の富士は顧問がパチンコ業者の代理店関係者から裏金をもらっているシーンを収めた動画が流出していることに驚き、当時の北の湖理事長に報告。これが顧問の逆鱗に触れた。千代の富士が自分を追い落とすために動画を流したと激怒し、協会ナンバー2の事業部長どころか理事から蹴落とした。そうやって先代を放逐しながら、跡目を継いだ現九重親方にはアレコレと吹き込み、抱き込んでしまったのだ。

 裏金顧問は1月に協会をクビになると、地位保全の裁判を起こし、現在は協会と係争中。にもかかわらず、8月上旬、山響部屋に姿を現し、山響理事(元平幕巌雄=46)と密談したという。

「山響は所属する出羽海一門の意向に逆らい、理事長選では貴乃花を支持した。近々、出羽海一門を脱退して、貴乃花一門に合流するのでは、と言われている。それにしても理事でありながら、協会と係争中の人物と親しげに話すのはもってのほか。一体何を考えているのかと、協会中の人たちが呆れています」(ある親方)

 そうした周囲の動きを、貴乃花理事も歓迎しているかのようだ。

「貴乃花理事、山響理事、伊勢ケ浜理事(元横綱旭富士=56)、つまり理事長選で貴乃花を支持した3人が国技館の一室に集まり、ゴソゴソやっていたのを見た親方もいます。おそらく、勢力拡大の相談をしていたのでしょう」

 とは、別の親方の証言だ。貴乃花理事は、ふてくされているわけでも、やる気を失っているわけでもない。「最初で最後」なんてのはクチから出まかせ、静かにひっそりとクーデターを企んでいるに違いない。

最終更新:9月7日(水)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL