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ソニーモバイルに聞く、「Xperia XZ」の狙いとスマートプロダクトの拡大

ITmedia Mobile 9月7日(水)11時27分配信

 ソニーモバイルコミュニケーションズは9月2日からドイツ・ベルリンで開催中のIFA 2016で、Xperiaシリーズのスマートフォンやスマートプロダクトを発表した。その内容は、2016年春にリニューアルした「Xperia X」シリーズにフラグシップとコンパクトを追加。Xperiaスマートプロダクトも、完成度が大きく上がっている。

【結局、Xperia X Performanceの位置付けは?】

 これらの製品が登場した背景はどのようなものか。IFA 2016会場で行われたラウンドテーブルで、ソニーモバイルコミュニケーションズ プロダクトビジネスグループ 商品企画部門 UX商品企画1部 統括部長の野村泰晴氏と、スマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏が答えた。

●Xperia XZとXperia X Performanceのすみ分けは?

―― Xperia XZが登場した背景は?

野村氏 2月のMWCで、Androidデバイスの「Xperia」をスマートフォン以外にスマートプロダクトにも拡大していくという、ブランドの再定義をした。それまで「Z」や「E」などスマートフォンには複数のシリーズがあったが、これを「X」に統一。その中でフラグシップの上位シリーズとして「XZ」が登場した。

―― スペックを見ると「Xperia X Performance」と「Xperia XZ」はどちらがハイエンドなのか。フラグシップは年に1回程度という話があったにもかかわらず、XZはX Performanceとかぶっているのではないか?

野村氏 Xperia Xを出すにあたって、地域やオペレーターの要求もあり、Xの中でもXとX Performanceに分けることになった。今回のXZは、その上に導入するフラグシップで、XやX Performanceに対する上位機種になる。X Performanceとかぶっているところは確かにあり、お客さまには誤解を生んでしまったと思う。ただ、今回の発表でX、XA、XZという3段階になり、クリアになったと考える。

―― Xperia Xシリーズは3段階で展開していくのか?

野村氏 最初にXをつけるという点は変わらないが、AとZの間にはいろいろなアルファベットがあり、今後そうしたモデルが登場する可能性はある。

―― Xperiaシリーズのコンパクト機はこれまでプレミアムクラスのスペックだったが、X CompactはXperia Xを小型化したものなのか?

野村氏 Xperia X Compactにも、XZと同等の機能を搭載している部分はあるが、CPUがこうでなければならない、といった線は引いていない。

―― 新機能の「Battery Care」は生活サイクルを学習するというが、たまたま早起きした場合にバッテリー残量が100%になっていないことはあり得るのか?

野村氏 例えば7時に電源ケーブルを抜くサイクルでは、90%にとどめておき、7時の直前に100%になる。そのため、5時に起きると90%のままになっている。そのまま持ち出すと90%から使い始めることになるが、そういった場合にこの機能を使うかどうかはお客さまに決めていただきたい。

●デジタルカメラと比べてカメラ機能はどこまで進化した?

―― スマホとして初めて5軸の手ブレ補正に対応したという点について、これは動画の場合のみか。これ以上の手ブレ補正はあるのか?

野村氏 5軸手ブレ補正は動画の場合のみ機能する。ソニーの技術としては空間手ブレ補正というものがあり、カメラモジュール自体を動かす機能だが、スマホではサイズ的に難しい。

―― Xperia XZの写真や動画の画質は、一般的なデジタルカメラと比較してどの程度なのか?

野村氏 画質について、通常の1/2.3型センサーを使っているコンパクトデジカメは超えているが、RX100の1型には及ばず、その間にあると考える。コンパクトデジカメと違ってスマホにはズームがないため、絵作りは特定のポジションで作り込みやすい。

―― 多くのスマホがカメラに注力する中で、インテリジェントという言葉はソニーにしかみられない。どういった技術や発想に基づいているのか?

野村氏 インテリジェントとは、いろいろなデータを学習することで、お客さまが意識することなく使っていただけることを指している。また、オートフォーカスという機能は他社にもあるが、予測AFという機能はソニー独自。業界の中で、一歩先を行くこともインテリジェントだと考える。

●スマートプロダクトの現状、Xperia Eyeは?

―― Xperiaスマートプロダクトとは?

伊藤氏 最近のソニーは「ラストワンインチ」という言葉を使っているが、お客さまの近くで、お客さまとの接点で感動体験をお届けできるのが、今後のソニーの強みになっていく。スマートプロダクトでは、新しいコミュニケーションを喚起するための新しいインタフェースを提案したい。

伊藤氏の発言を一部修正しました(9/9 15:20)

―― スマートフォンは汎用(はんよう)的でいろいろな用途に使えるが、スマートプロダクトはそれを個別に切り出したものなのか?

伊藤氏 スマートフォンがなかなか使えないとき、Xperia Earならボイスインタラクションで同じ操作ができる。家の中では、スマホじゃなくてもいいといった状況があるはずだ。世代や職業などで、スマホではないベストなデバイスがある可能性も想定している。

―― Xperia Earは11月に欧州で発売するというが、色がグレーなのはビジネス向けなのか?

伊藤氏 まずは1色から展開する。カラーバリエーションの議論はしており、若い女性から欲しいという声もあるなどフィードバックを得ている。ただ、まったく新しい体験なので、いきなり多くの物を出すよりは、1つの色で象徴的に出したい。

―― 360度カメラについてはどう考えているか?

伊藤氏 現時点で明快な戦略はお伝えできないが、Xperia ProjectorやXperia Agentをやっている理由は技術のシーズがあるからだ。プロジェクターなら、SXRDというソニーの優れた技術があり、それにタッチを組み合わせて新しいコミュニケーションができる。360度カメラのどこに技術のシーズがあるかは、まだ試行錯誤している。

―― Xperia Agentはロボットなのか?

伊藤氏 顔と胴回りが動くので、意外とリッチな表現ができる。足はないが、家の中に置いて使う上では、かなり表現力が高い。

―― 2016年2月のMWCでは「Xperia Eye」があったが、中止されたのか?

伊藤氏 Xperia Eyeについては継続的に議論をしており、諦めたわけではない。フィードバックを得ながら、タイミングを考えている。現時点でのアップデートは早いと判断した。

●コミュニケーションが起こる場にXperiaを

―― Xperiaというブランドをどう派生させていくのか?

伊藤氏 Xperiaの中心にはコミュニケーションがある。これはチーム内で常に意識している。IoTの世界には電球から乾電池までさまざまなものがあるが、われわれはウェアラブルとか家の中のデバイスといったような定義は限定していない。コミュニケーションが発生する場所なら、Xperiaがあってもいい。

伊藤氏の発言を一部修正しました(9/9 15:20)

―― コミュニケーションはヒト対ヒトなのか、それともモノもあり得るのか?

伊藤氏 非常に面白い議論だ。まずはヒトとヒトだが、いま見えてきているのはXperia Agentとの会話のような、ヒトとモノというコミュニケーション。その先にはモノとモノがあり、家の中にあるデバイス同士がいろいろなベクトルで会話する世界が来るのではないか。どういう形であれ、ソニーらしいやり方で提案したい。

最終更新:9月9日(金)15時25分

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