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<リオパラ>車いす用のトレーニングマシン製造 富士の藤巻さん

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月7日(水)18時5分配信

 リオデジャネイロパラリンピックを機に、注目度が高まっている障害者スポーツ。さまざまな困難を乗り越えて競技に励むアスリートを側面から支える人がいる。富士市三ツ沢の藤巻進さん(57)は元競輪選手の経歴を生かして5年前に、車いす競技者専用のトレーニングマシンを手掛ける職人に転身した。マシンは一人一人の障害に合わせたオーダーメード。こだわりの一台はパラリンピック出場選手にも愛用されている。

 藤巻さんは49歳の時、29年間の現役生活に幕を閉じた。引退後の2010年、祖父が山梨県で創業した「日高輪業」を復活させ、自転車の出張修理業を富士市で始めた。転機が訪れたのは1年後。現役時代から知り合いだった車いすマラソン愛好家の裾野市の男性から「トレーニング用ローラーは作れないか」と相談を受けた。

 当時、車いす競技者用のマシンは静岡県内には静岡市清水区に1台だけ。家庭内で使用できるマシンもなく、車いすの障害者が気軽に練習できない現状を知った。「軽量で家でも使えるように作ってみよう」―。藤巻さんの挑戦が始まった。

 製品ができあがるとインターネットで販売を始めた。次第に競技者の関心を集め、国内外から注文が入るようになった。中にはパラリンピックの陸上競技のメダリストもいた。「もっとコンパクトにして」などと寄せられる要望に応えて改良を重ねるにつれ、障害の程度に関係なく、誰でもトレーニングできるマシンも完成した。

 今回のパラリンピック出場選手では、陸上競技の松永仁志選手や洞ノ上浩太選手らが藤巻さんの作ったマシンをリオに持ち込んでいるという。「『今まで作ってくれる人がいなかった』と言ってくれる選手の反応が一番うれしい」と藤巻さん。今後も一人でも多くの障害者アスリートの声に応えたいと意気込む。

静岡新聞社

最終更新:9月8日(木)18時7分

@S[アットエス] by 静岡新聞