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フィリピン、国際会議直前に南シナ海航行する中国船の写真公開

ロイター 9月7日(水)16時30分配信

[ビエンチャン 7日 ロイター] - フィリピン国防省は7日、領有権争いが続く南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近を航行する中国船とみられる写真を、ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳が中国の李克強首相と会談するわずか数時間前に公表した。

写真公表のタイミングについては説明はなかった。フィリピン政府は4日、同礁の周囲を航行する中国船舶の増加について「重大な懸念」を表明し、駐マニラ中国大使に説明を求めていた。

あるフィリピン当局者は、写真と地図の公開は、ASEAN首脳会議に出席するロレンザーナ国防相の指示だと明らかにした。

資源が豊富な南シナ海は、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイが、一部または全部の領有権を主張しており、地域の緊張を高める火種となっている。フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの4カ国はASEANに加盟している。

今回公開された10枚の写真と地図は、主にASEAN首脳会議取材のためにベトナム入りしている記者に向けて電子メールで送付された。南シナ海の領有権問題が公式に議論されるかどうかは不明だが、ASEAN首脳は7日に李首相と会談する予定だった。

今回の動きは、フィリピンのドゥテルテ大統領が、同盟国である米国のオバマ大統領を侮蔑する発言を行ったことで、米比首脳会談が中止された後に起きた。

中国は、年間5兆ドル(約510兆円)を超える国際貿易を支える戦略的な海路である南シナ海をめぐる領有権紛争を煽っているとして、米国を繰り返し非難してきた。

米国は、南シナ海の主権をめぐる問題でどの立場も取らないと表明している。しかし、中国が実効支配をする島々付近で「航行の自由」作戦に基づく米軍艦の航行を実施し、中国の怒りを買っている。その一方で、中国はそこでの軍事プレゼンスを強化している。

<領有権問題で揺れる岩礁>

スカボロー礁は単に海面から突き出た数個の岩に過ぎないが、その穏やかな水域と豊かな漁場は、フィリピンにとっての重要性を持つ。フィリピンは、同礁での漁業活動を中国が妨害することは国際法に反すると主張している。

中国とフィリピン、ベトナムにとっての伝統的な漁場であるスカボロー礁について、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は7月、どの国も主権を有していないとの裁定を下した。この裁定により領有権紛争はさらに重要性を増している。中国は裁定の受け入れを拒否している。

ドゥテルテ大統領は中国が裁定を順守するよう求めているが、ラオスにおける会議でこの問題を取り上げないことを約束していた。同大統領は、2国間協議を通じた問題解決を望んでおり、ラモス元大統領を特使として先月香港での中国代表との会合に派遣している。

ロイターが5日入手したASEAN首脳会議の声明草案では、南シナ海問題に関連する8項目が含まれていたが、裁定についての記述はなかった。

しかし、ロレンザーナ国防相は、首脳会議に先立ち、フィリピン空軍機がスカボロ―礁上空を飛行し、通常より多くの中国船団を発見したことを明らかにした。同礁をめぐっては、中国が2012年以降実効支配を続けている。

同国防相は、沿岸警備艇に加え、中国船6隻が存在していたことは「深い懸念材料だ」と述べた。

最終更新:9月7日(水)16時40分

ロイター