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アングル:米住宅市場、労働者不足が深刻 旺盛な建設需要で

ロイター 9月7日(水)11時10分配信

[デンバー 6日 ロイター] - 米住宅市場は、建設需要の盛り上がりに伴って労働者不足が深刻化しており、建設業者は人集めに四苦八苦している。

全米住宅建設業者協会(NAHB)の推計によると、建設業界では住宅バブル崩壊以降の8年間に労働者の30%が他の業種に転職しており、住宅建設業者は全国的にあらゆる熟練度で働き手の確保が難しくなっている。

NAHBによると、建設業界の人手不足は全体で20万人前後に上っており、2年前と比べて81%も増えたとみられる。労働省のまとめによると、建設業界の求人率は2007年以来の高水準だ。

また米国建設業協会(AGC)のデータによると、全米の建設業界の労働者はピーク時から17%減少しており、アリゾナ、カリフォルニア、ジョージア、ミズーリなど一部の州では20%以上減った。

建設業界向けの職業訓練を手掛ける非営利団体、ホームビルダーズ・インスティテュートの最高責任者、ジョン・カーソン氏は「需要はが高まり続けており、労働者不足は深刻化しつつある」と話す。

住宅業界の労働者不足の影響には2つの側面がある。まず働き手が足りないと建設が需要に追い付かず、経済全体を冷え込ませる。

また人手不足のために労働コストが上昇すれば建設業者は利幅を維持するために高級な物件の建設を増やし、初回購入者が目指すような低価格物件の供給が減少する。そうなればせっかく住宅ローン金利が過去最低水準なのに購入を希望する消費者が市場から締め出されてしまう。

NAHBの調査結果によると、1戸建て住宅の平均建設コストは2007年と比べて13.7%上昇している。これは住宅全体の建設・販売コスト(土地取得や資金面、販売などのコストを含む)のこの間の上昇率である2.9%を大きく上回っている。

新築住宅は7月の販売が9年ぶりの高水準で、この点から引き合いの強さが見て取れる。

住宅建設業者は働き手集めに苦慮しており、人手がライバルに流れるのを阻止するために急きょ賃金を引き上げざるを得ないことも少なくない。とりわけ大工と電気工事技術者といった専門職で人員不足が激しい。

AGCによると、コロラド州だけで建設業の労働者を今後6年間に3万人増やす必要があるという。この数字には定年に伴う退職分は含まれていない。

コロラド州は昨年、配管工、電気工事技術者、大工などになるための無料の訓練プログラムを支援するために今後3年間で1000万ドルを支出する計画を承認した。

(David Randall記者)

最終更新:9月7日(水)11時10分

ロイター